【第36回】女性と組織の活性化研究会レポート
『女性管理職の増加が組織にもたらす効果と育成方法』
今回の研究会は、女性管理職をテーマに、参加者21名(オブザーバー含む)で開催されました。第29回のレポートでも触れたように、大企業を中心とした係長相当職以上の管理職全体に占める女性の割合は6.9%に留まっていますが、大企業を中心に女性管理職割合が上昇しています(厚生労働省「平成18年度女性雇用管理基本調査」)。今回の研究会では、女性管理職が増えることで組織にもたらされる効果を中心に、事例を織り交ぜながら活発に議論が展開されました。
研究会は、いつものとおり、3部構成で進行しました。以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。
*主宰者によるミニ講義*
事前に集計したアンケートからは、全社員の男女比率からみて、女性管理職の割合が少ないと感じている参加者は全体の9割と大変多いなか(「非常に少ない:53%、少ない:37%」)、ここ3年での変化として、約7割のかたが女性管理職の割合が増えていると回答しており(「増えている:17%、少し増えている:54%」)、大きな変化ではないものの、着実に女性管理職が増えていることが分かります。講義では、女性管理職が増えることで組織にもたらされる効果について、ワーク・ライフ・バランスの啓蒙促進、若手女性社員たちの将来的なキャリアイメージ構築への好影響など、事例が提示されました。
政府は「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標を掲げています(平成17年12月男女共同参画基本計画(第2次))。主宰者の植田は、2020年をダイバシティ実現のマイルストーンとして、目標達成のためにも女性管理職が増えていくことの重要性に言及していました。女性管理職比率を上げるための安易な昇格など、問題点も顕在するようですが、研究会では、引き続き、女性管理職の増加がもたらす効果について、注目していきたいと思います。
*プレゼンテーション*
今回は、株式会社QUICK 総務本部長補佐 兼 教育・研修部長 伊藤朋子さんより、『女性管理職の増加が組織にもたらす効果と育成方法』について、ご自身の管理職としての経験をもとにお話していただきました。伊藤さんは、2005年から教育・研修部長として、社内の教育・研修に携わっていらっしゃいます。2007年に専属の部員が入るまで、すべての部下が人事部兼務という状況のなか、2006年には、階層別研修、外部研修、テーマ研修などを年33回実施。その後も現在に至るまで、毎年新たな取組を実施されてきました。取組の詳細については割愛しますが、現在までの道のりは決して平坦なものではなく、苦労することも多かったとのこと。そんなとき、伊藤さんを支えたのは、メンターそして社内外の人たちの存在だったのだと思います。ご本人の努力はもちろんですが、支えてくれる人々の存在の大きさ、そして大切さを強く感じました。一部しか紹介できませんが、伊藤さんのお話は、すでに管理職のかたはもちろんのこと、これから管理職を目指す参加者にとっても、女性管理職として働いていくためのヒントがたくさんつまっていたと思います。
社内でのヒアリングをもとに、女性管理職の増加が組織にもたらす効果についても貴重なお話を頂戴しました。第一に、働きやすい職場環境です。たとえば、女性管理職が自分の働くペースを保つ姿勢は安心感をもたらし、相談もしやすいので、結果的に働きやすい職場環境へとつながるということ。第二に、女性社員のモチベーションアップです。たとえば、女性管理職が増え、ロールモデルが増えることで、若手の女性が目標をもって意欲的に仕事に取り組めるようになること。第三に、組織の活性化です。社内からも、女性管理職の増加は職場が明るくなる、経営陣の意識が変わり男性管理職もいい刺激を受ける、飲みニケーションではなく会社内での議論で問題解決が図れるようになるなどの例が挙げられていました。これらの効果は、伊藤さん他女性管理職の功績によるところも多いのだと思われ、女性管理職が増えることでもたらされる効果について、生の声が聞けたことは大変参考になりました。素晴らしいプレゼンテーションをありがとうございました。
*グループディスカッション*
主宰者の植田、そして事例発表をしていただいた伊藤さんをそれぞれ囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。グループディスカッションでは、参加者のお一人が、個別に抱えている悩みについて相談され、それに対し、植田と各参加者が次々と自社の事例を交えて親身にアドバイスをされる場面がありました。また、新しく参加されたかたから女性活躍推進の取組に対する無関心さについて質問が出され、他の参加者はご自分たちの経験から、的確に解決策を示していました。グループディスカッションに参加していると、植田からの専門的なアドバイスに加え、他の参加者から、実際の取組事例やその詳細について聞くことができます。この研究会の大きな魅力の一つだと思います。
次回の研究会は、「ダイバシティマネージメントの目標設定と、効果の捉え方」と題して、6月17日(木)に開催します。研究会には、新しい取組へのアイディアや既存の取組の課題に対する解決策など、たくさんの情報があふれています。初めて参加を検討されているかたも、お気軽にファクシミリかメールにてお問い合わせください。たくさんのみなさまのお越しを、お待ちしております。
(文責 株式会社きんざい 舟山 綾)






