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ダイバシティ時代、グローバル化時代において、女性の活躍推進を基軸に企業の活性化、日本社会の活性化を目指します。参加企業メンバーが互いの実体験、課題を共有しながら、さらなる取り組みへの方向性を見出すことと、企業を超えてのネットワークの構築のための研究会です。

【2009年12月2日開催】 第31回 女性と組織の活性化研究会レポート

【第31回 女性と組織の活性化研究会レポート】

 

12月の研究会は、「総会」。オブザーバー5社を含む、2033名が参加しました。

この1年間をふり返るという企画だったのですが、ちょうどこの12月は、社会経済生産性本部さんで研究会を開催するようになって丸一年がたつという節目でもありました。

「総会」ということもあり、参加した15社がすべて、10分という持ち時間のなかで発表したのですが、この1年間のなかでどのような試行錯誤や進展があったのか、今後の課題や展望はどうなのか、ということについて、非常に密度の高いプレゼンテーションが続きました。

そのなかには、ご担当者としての悩みの声もあれば、「このことは訴えたい」という熱意のこもったものもありました。また、活動からうまれた喜びや感動が聞き手にしっかりと伝わってくる事例もありました。すべてを書くことは難しいのですが、以下では当日のプレゼンの様子について箇条書きでまとめてみたいと思います。

 

◎各社からのプレゼンテーションについて(箇条書き) 

  各社で取り組んでいる内容自体にも非常にバラエティがありました。例えば、NECモバイリングさんは女性管理職育成、双日さんは育児休職者支援、東京海上日動あんしん生命保険さんはメンター制度についての取り組みをご発表されました。日立INSソフトウェアさんでは、女性交流会・課長交流会・役員との交流会といった様々な場を設けているというユニークな取り組みを発表されました。

  三菱化学さんからは、アンケート調査の分析をすすめているというお話がありました。同様のご報告は複数あり、第一三共さんはアンケートを実施したこと自体に非常に反響があったというエピソードを紹介されました。また、日立造船さんでは、アンケートだけに頼らず、インタビューを通して生の声を聞く活動をはじめられたということでした。

  各社ならではのプレゼンテーションのスタイルも楽しいものでした。コープネット事業連合さんは、広報紙をみなに配布されたのですが、「子ども参観日」という取り組みを「やってよかった!!」という声が紙面に踊っていました。医療法人ヘルスヘブンさんは、DVDの上映でした。笑顔がひろがる職場の風景が映し出され、この1年で人や職場がどう変わり、成長してきたのかという感動が伝わってきました。

  ご担当者の立場にもいろいろあることが分かりました。ダイバシティの専任者ももちろんおられますが、兼任やワーキンググループのメンバーとして取り組まれているかたも多くおられました。JALパックさんのお一人は、ご自身の結婚を契機にしてプロジェクトへの参画を希望するようになったそうです。一方で、初参加のアクサ生命さんのように、エグゼクティブ自らが活動にコミットしているというケースもありました。

  活動の主体にもバラエティがあります。ミニストップさんの場合は、ボランティア的な活動からスタートしたものが公の体制になり、新たなスタートを切ろうとしているという事例でした。日本サムスンさんは、教育担当者として出来ることを色々と工夫しながら等身大で取り組んでおられるという様子が伝わってきました。オール・デサント労働組合さんからは、働き方の変革について、組合の立場から経営陣と熱く語っておられるというお話がありました。また、千葉大学さんからは、女性研究者支援という、ふだんなかなか知る機会の少ない活動について、興味深い事例を聞くことができました。

 

◎グループディスカッション 

研究会の後半は、事前アンケートにもとづく以下の4つのテーマを掲げて、グループディスカッションを行いました。

(1)メンター制度

(2)女性キャリア意識づけ

(3)男性管理職の意識改革

(4)ダイバシティ風土改革

各参加者は自分が関心をもつテーマのグループに集まり、ファシリテーターの進行のもとで話し合いを進めました。ディスカッションは2回行われ、2つのテーマについて意見交換する機会をもつことになりました。

短時間の話し合いの場ではありましたが、例えばメンター制度のグループでは、その導入に関心をもつひとが質問をし、すでに導入しているかたがそれに答えて事例を語る、というようなやりとりが交わされました。男性管理職の意識改革のグループでは、その必要性を訴えるひと、変わらない男性管理職という問題提起をするひとなど、熱い意見交換の場となりました。

 

◎総会を終えて

 今年の研究会の締めくくりとなった「総会」は、書ききれないほどの盛りだくさんの内容となりました。この研究会では、メンバーが互いの実体験や課題を共有しながら進めておりますが、明年も皆さまと一緒に実りのある場をつくってまいりたいと思います。

この総会の最後に、植田は、「私の理想は、この研究会の目的が達成されて、この研究会が要らないようになること」と語ったのですが、「女性と組織の活性化」という目的に向けて、明年2010年も皆さまと進んでいくことができればと存じます。

 

浅川知洋

 

 

【2009年11月4日開催】 第30回 女性と組織の活性化研究会レポート

【第30回】女性と組織の活性化研究会レポート(200911月4日開催)

「女性のキャリアアップ、意識付けのために必要なことは!」

 2007年2月に発足した当研究会も、早いもので、第30回を迎えました。記念すべき30回目の研究会は、女性のキャリアアップをテーマに、参加2330名(オブザーバー含む)で開催されました。女性のキャリアアップといっても、総合職と一般職、既婚と未婚など、個人が置かれる状況等によりその方法は多岐にわたり、一概にはいえません。女性一人ひとりが、自分のキャリアに対するはっきりとした意識をもつことが大切なのかもしれません。今回の研究会では、女性のキャリアアップを中心に、その意識付けの方法について多角的に考えてみました。

 研究会は従来どおり約3時間を要して、下記の流れに沿って進行していきました。

. 主宰者・植田による【ミニ講義】

. 参加企業における事例発表【プレゼンテーション】

. 2つのグループに分かれての【グループディスカッション】

以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。

 

◎主宰者によるミニ講義◎

主宰者・植田による30分の講義では、女性のキャリアアップ、そして管理職育成の意識付けのために必要なことについて、事前に集計したアンケート結果を盛り込んだレジュメをもとに、そのポイントが分かりやすく提示されました。そのなかで、女性管理職育成の取組は、講演等の受け身型ではなく、参加型の研修を行うことで、自己開示できる体験を受講生に提供することが大切であると植田は指摘していました。そして、特に強調していたのは、男女混合ではなく、女性だけで管理職研修を行うことの大切さです。女性のみで研究を行うことで、女性同士のネットワークを広げることにつながるということです。また、前回のレポートにも書きましたが、大企業を中心とした管理職全体に占める女性の割合は6.9%に留まっています(参照:厚生労働省「平成18年度女性雇用管理基本調査」)。少数派だからこそ、その背景と現状を的確に捉え、そのうえで、女性の特徴を活かしていくことが、女性管理職養成の鍵なのではないかと思いました。

上記は、あくまでポイントの一部ですが、アンケート調査に基づいた、実践で活用できる内容を含んだ講義が聴けるのが、この研究会のひとつの魅力となっています。

 

◎プレゼンテーション◎

今回は、三井化学株式会社 人事・労政部 女性社員登用推進チームリーダー田中千穂さんより、同社における女性社員へのキャリア開発支援の取組について事例発表をしていただきました。三井化学さんは、「人の三井」と言われるように、もともと働きやすい地盤があるなかで、ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティの推進がなされています。この取組の一環として、2006年5月に社長のトップダウンのもと、専任組織「女性社員登用推進チーム(わくわく推進チーム)」が設置され、リーダーの田中さんを中心に女性社員のキャリア開発支援が進められてきました。

プレゼンテーションをとおして、女性の活躍推進は、女性のためであるとともに、会社の強い組織づくりのためであるということを社内に意識付けることがとても重要であると感じました。田中さんは、この意識付けのために、社長以下管理職を対象としたセミナーを、3年間に及び継続的に実施されています。このセミナーでは、「女性パワーの活用と快適な職場作り」、「女性の戦力UPこそ、業績UPのキーワード」などのテーマを設定して、当研究会の主宰者である植田が講師を勤めており、田中さんは、その効果を大変強く感じておられました。

 三井化学さんは、女性従業員比率が9%と男性が多い職場ですが、女性の活躍が進んでいらっしゃいます。田中さんはチーム発足時から、啓蒙セミナー、ホームページ開設、女性の一般職向け3カ年研修、メンター制度の試行、そして座談会など、様々な取組を企画され、実行されてきました。これら一つひとつの取組は工夫が満載であり、田中さんが、女性社員の活躍推進に活発に取り組み、着実に成果につなげられている様子がよくわかりました。与えられた状況のなかでのまさに「手作り」の取組は、研究会に参加したみなさまにとても参考になるものだと思いました。田中さんのパワー溢れる明るいお人柄と、仕事に対する情熱がとてもよく伝わってくる、素晴らしいプレゼンテーションでした。

 

◎グループディスカッション◎

グループディスカッションは、主宰者の植田、そして事例発表をしていただいた田中さんの2つのグループに分かれ、30分の交替制で行われました。田中さんグループで印象的だったことは、一般職の女性向けの3カ年研修に対する質問がとても多かったという点です。第28回のレポートでも少し触れましたが、一般職の女性のキャリアアップというテーマは、総合職の女性のそれ以上に問題が顕在化しており、対応に苦慮している企業さまが多いのだと思います。

また、昇進・昇格の要件として遠方への転勤が伴う従来のキャリアパスだと、多様化した就業形態の広がりに対応できないのではないかといった意見も出ていました。この課題は、一つの企業が個別に対応できる問題ではなく、ワーク・ライフ・バランスとの問題と絡めながら、幅広く議論が求められるテーマなのではないかと思います。グループディスカッションでは、与えられたテーマについて事例を伴った意見を出し合うことで、より深く問題点を整理することが可能になります。そうして、新しい課題を発見し、その課題に対する答えを探していくことが、このグループディスカッションの魅力なのだと思います。

 

12月2日に開催される次回の研究会は、「今年の振り返り各社発表&テーマ別グループディスカッション」と題し、2009年を振り返る総会となります。いつもより少し長い、午後1時半から6時までの開催となっており、研究会終了後には懇親会も予定されています。テーマ別のグループディスカッションがメインとなっており、一度に数多くの企業さまの取組事例を聞くことができる絶好の機会なので、既存のメンバーのかたはもちろん、初めてのかたも、この機会にぜひ参加してみてください。たくさんのみなさまのお越しを、お待ちしております。

(文責 株式会社きんざい 舟山 綾)

 

【2009年10月5日開催】 第29回 女性と組織の活性化研究会レポート

「女性&男性管理職の共有体験で風土改革を一気に進める!」

今回は、女性社員と男性管理職との関係に焦点をあて、男性参加者3名を含む、総勢19名での開催となりました。女性管理職の比率は、時代とともに上昇しているといわれるものの、厚生労働省が発表した「平成18年度女性雇用管理基本調査」によると、大企業を中心とした係長相当職以上の管理職全体に占める女性の割合は6.9%に留まっています。そうしたなか、管理職候補となるような女性と男性管理職という関係において、取り組むべき課題が出てきているようです。今回は、その課題について、問題点を整理し、参加企業メンバーが事例等を交え、解決策について議論を展開していきました。

 

 研究会は従来どおり約3時間を要して、下記のとおり進行しました。

(1) 主宰者・植田によるミニ講義

(2) 参加企業における事例発表

(3) グループディスカッション

 以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。

 

◎主宰者によるミニ講義◎

 事前に参加企業メンバーからご回答いただいたアンケートでは、男性管理職と女性部下の間に、ダイバーシティや女性活躍推進に対する意識差があるとする回答が全体の69%にのぼりました。しかしながら、実際に男性管理職と女性部下を対象とした取組を行っている企業さまは少なく、企業におけるこの課題への対応があまり進んでいないこともわかりました。植田は、意識差を解消するためにも、両者がともに参加する体験型の研修等をとおして、共有体験を持つことが大切だと言います。そうすることで、キャリア推進の対象である女性社員だけではなく、男性管理職の意識が変わり、そして行動が変わり、組織の活性化へとつながっていくということです。この課題は、社会的な認識をまだ十分に得てはいないですが、女性活躍推進を目指す企業にとって重要なテーマではないかと思います。

 また、講義は男性社員に向けてのダイバーシティやワーク・ライフ・バランスに関する取組の少なさにも触れていました。女性活躍推進の流れのなかで、とくに若手から中堅の男性への対応が十分に行われないのかもしれません。ダイバーシティの時代には、多角的に組織を捉え、柔軟にかつ的確に人材育成を行っていくことが重要なのだと感じました。

 

◎プレゼンテーション◎

 オリックス株式会社人事グループ人材開発チーム課長代理 脇 真由美さんより、事例発表をしていただきました。オリックスさんは、まさに今回のテーマである男性管理職と女性部下を対象とした研修を、同社のダイバーシティ推進の取組のひとつとして行っています。脇さんの事例発表は、それぞれの取組に関しての説明がとても詳細で明快な、素晴らしいプレゼンテーションでした。とくに印象に残った事例を紹介します。

 オリックスさんにおけるダイバーシティ推進の歴史は長く、1982年には新卒4大卒の女性を総合職として採用しています。また、2006年には、人材戦略のスローガンとして「Keep Mixed」が掲げられ、ダイバーシティ推進の取組が展開されてきました。では、なぜ今あらためてダイバーシティなのか。その答えには、管理職クラスにおける女性の比率の低さが挙げられていました。そして、この課題への解決策のひとつとして、新たなマネジメントスタイルをもつ女性リーダーを育てることを目的とした研修、“キャリア・デザイン・ワークショップ”を2008年より実施されています。この研修における最大のポイントは、延べ3カ月に渡り継続的に実施されること、そして受講者だけでなく直属の部長も一緒に参加する体験型であるという点です。上司である部長は、受講者との面談や研修をとおして、積極的に研修に参加することを求められます。まさに、今回のテーマである「共有体験」が実践されています。直属の上司との共有体験をもつことは、コミュニケーションを円滑にし、両者間にある意識差を解消するのにとても効果的な取組であると感じました。

 

◎グループディスカッション◎

2つのグループに分かれてのグループディスカッションは、主宰者の植田グループと事例発表をしていただいた脇さんグループに分かれて行われました。グループディスカッションでは、必ずと言ってよいほど、新しく参加された方から優先的に発言していただきます。グループディスカッションは、現在抱えている問題点等について、企業の枠を超えて、ざっくばらんに話し合い、問題解決への糸口を見つける場所です。だからこそ、新しく参加された方にも雰囲気に溶け込んでもらうために、発言の場を提供しています。そして、新しい視点からの意見により、よりよいアイデアが生まれることもあります。また、ミニ講義や事例発表を聞いて少しでも疑問に思うことがあれば、グループディスカッションでその疑問点について聞くことができます。さらには、他企業の失敗談を聞いて、その経験から学ぶこともできます。この場を共有し、新しい問題解決への方向性を見出すことで、企業の活性化をもたらし、結果的に日本社会の活性化へとつながっていけば素晴らしいと思います。

 

 ダイバーシティ時代の人材育成は、確実に今までとは異なったアプローチが必要であると植田は指摘しています。従前のような、階層別といった画一的なアプローチではない、より個別的なアプローチが求められているのかもしれません。研究会では、ダイバーシティの時代に企業が抱える課題を的確に捉え、共有し、そして解決先を見出していきます。来月の研究会は、女性のキャリアアップについて取り上げます。女性のみならず、女性の部下をもつ男性管理職の方など、たくさんのみなさまのお越しをお待ちしております。

(文責 株式会社きんざい 舟山 綾)

 

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●2017年11月16日(木)17日(金)
女性リーダーのためのエンカレッジ(応援)研修
会場:NOMA 関西本部 専用教室(大阪科学技術センタービル内) 対象:女性管理職及びその候補者、 中堅リーダークラスの方々など

●2018年2月15日(木)16日(金)
『女性リーダー・エンカレッジ(応援)研修』
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