PHOTO
ダイバシティ時代、グローバル化時代において、女性の活躍推進を基軸に企業の活性化、日本社会の活性化を目指します。参加企業メンバーが互いの実体験、課題を共有しながら、さらなる取り組みへの方向性を見出すことと、企業を超えてのネットワークの構築のための研究会です。

【2015年9月8日(火)開催 第93回 女性と組織の活性化研究会レポート】

『女性管理職育成7年目!育ってきたロールモデルたちと次の課題』

  女性と組織の活性化研究会も93回となり、100回開催までカウントダウンが始まりました。今までの93回の間に、どんどん新しい企業も加わり、女性活躍推進の関心が高まっていることは明確です。この研究会を通して、素敵な企業同士のつながりをもっていただけたら嬉しい限りです。

 今回は、滋賀銀行 人事部 人事グループ 調査役補 女性活躍推進委員会事務局 新村真紀子様と人事部 研修グループ 課長 早藤泰宏様に発表いただきました。

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

     1部*13:301500

     植田ミニ講義

     事例発表(質疑応答含む)

     2部*153016:30

     グループディスカッション

以下、今回の研究会の内容をご紹介します。

*主催者によるミニ講義*

今回、アンケートにご回答いただいたのは29社の皆様です。その結果によると、女性管理職が増えていると感じている企業(増えている24%、やや増えている52%)が76%の高い割合なのにもかかわらず、女性管理職の比率はまだまだ少ないのが現状のようです。ご回答いただいたなかで女性管理職の最高職位に執行役員を務めているという企業が29%ございましたが、管理職を務める女性の中でワーキングマザーの割合は少なく、仕事一筋の独身女性が管理職になることがまだまだ多いというのが実情のようです。男性の管理職は既婚者が多いのに比べると、とても残念な現状です。一体、それはどうしてなのでしょうか?2030代の女性たちのロールモデルやメンターとなる女性管理職は、たくさんいると回答した企業は10%。研究会に参加されている企業だけに、イキイキと働く女性管理職が多いのでしょう。ただ、結婚はしていても子どもがいない人や、仕事最優先で男性と同じ価値観を持っている人が多いという意見もありました。やはり、企業として女性管理職の育成・応援に関してのセミナーを継続していく必要性を痛感します。本人が自分と向き合い、新しい気づきがあったり、ワークライフプランを考える機会になるのです。しかし、残念なことにこういったセミナーを行っている企業は48%ととても高い割合にもかかわらず、その結果良い影響や変化が感じられない企業が24%もあるのです。やり方に問題があるのかもしれません。女性管理職の育成・応援に関しての悩みを抱えている企業は80%(ある52%、少しある28%)と非常に高く、一歩踏み出せない女性や管理職を希望していない女性もまだまだいるため、企業としてどうしたらいいのかわからないことも多く問題は山積みのようです。

植田の話の中では、女性リーダーの根底にある母性のパワーを信じて、企業戦士ガンダム女になってしまっている女性管理職のガンダムスーツを脱がせて“素敵”にさせるという話がとても印象的でした。女性としての素敵な面を生かして、管理職になってもキラキラしてほしいと願うばかりです。

*事例発表*

今回は、『女性管理職育成7年目!育ってきたロールモデルたちと次の課題』といテーマで、滋賀銀行 人事部 人事グループ 調査役補 女性活躍推進委員会事務局 新村真紀子様と人事部 研修グループ 課長 早藤泰宏様に事例発表をしていただきました。

新村様は平成8年に滋賀銀行に入行され、平成13年に結婚、平成21年に男の子を出産し、まさしくワーキングマザー真っ最中です。

滋賀銀行では、平成1812月に女性活躍推進委員会の事務局を設置し、早くから女性の能力開発に取りかかっています。この委員会では、「風土づくり(意識改革)」「キャリア形成支援(女性の登用、職務開発)」「制度の充実(ワークライフバランス)」を3本柱に取り組んでいます。

 女性活躍推進の風土づくり(意識改革)としては、頭取からのメッセージを発信し、行内報(年に4回発行]や行内テレビニュースで女性活躍推進委員会の取り組みを紹介したり、ロールモデルの紹介などを行っています。また、休日を利用して知識を深めることができる“ゆとりプランセミナー”を企画し、平成20年に始まったこのセミナーはすでに8回の開催となり合計で1344名という多くの方々が参加されたとのことです。

 制度の充実(ワークライフバランス)としては、育児休業によって職場から離れていることへの不安を和らげることを目的に、子供と一緒に参加できる“育休mamaセミナー”を2009年より18回開催し、これまでに342名のママと304名のお子様が参加しています。最新の銀行情報に加え、育児休業中の行員同士が情報交換できる場を提供しています。育児休業後も“育休復帰後セミナー”が実施され、女性にとっての大きなライフイベントに対して、様々なフォローアップの仕組みがあり、素晴らしい取り組みだと思いました。また、“半日年次有給休暇制度”があるため、育休後働き続けていく上で、子どもの病気や予防接種、授業参観などで活用でき、ワーキングマザーにとってはとても助かっているようです。また、男性行員が配偶者の出産時に付き添いができる制度“配偶者出産特別休暇制度”も整っています。

キャリア形成支援(女性の登用・職務開発)としては、植田が講師として担当している「女性リーダー・エンカレッジ講座」を毎年開催し、女性同士のネットワーク構築をサポートすると共に女性の配属が少ない部署でのロールモデルの育成となるよう、いろいろな切り口で女性行員たちの意欲形成にアプローチしています。これらの継続した取り組みは、確実に数字になって表れてきており、1981年には9名ほどだった女性管理職が、現在は180名近い皆様がご活躍していらっしゃるとのことでした。

研修グループの早藤さんからは、.ャリアロス防止策(出産・育児支援)、長時間労働の見直し、若い時から男女とも同じカリキュラムの研修、じ従譴隆浜職(支店長)の意識改革、などの取り組みについてお話しいただきました。特にい任蓮⊃田の研修を受講した女性たちのほとんどが、支店長にも受けて欲しいという感想をアンケートに書いていたことから、管理職を対象とした「モチベーション・リーダーシップ2日間〜人間力を磨く研修〜」の宿泊研修を実施されたとのこと。受講後の感想の中に「厳しくすることが育成と思っていた。」「先日、部下から相談され対応したが、もう一度やり直したと思った。」など、多くの気づきを得ていただけたとのことでした。

お二人の発表をお聞きして、様々な取り組みを継続して行っていくことの大切さを教えていただきました。また、滋賀銀行として、女性だけでなく、次世代や環境まで大きな視野をもって素敵な未来に向かって努力されている姿に感動いたしました。本当に貴重な発表をありがとうございました。

*グループディスカッション*

後半のディスカッションでは、新村様と早藤様と2つのグループに分かれ、さらに具体的な内容に踏み込んだ質問が飛び交いました。支店長経験をお持ちの早藤様のグループでは、女性管理職が増えない理由として、大きく2つの問題がある点が話題となりました。1つ目は育成者の意識の問題、2つ目はお客様の意識の問題です。例えば、管理職として長期にわたって男性と女性を育成していく中で、出産、育児などのライフイベントで途中抜けてしまう女性を管理職が育てたがらない上司が一部いる。また、「女性に経営の相談はできない、任せられない」と感じているお客様の意識もあるようで、男性を育成することを優先してしまう上司がいる。女性の適性や能力というよりは、育成に携わる上司、管理者の意識改革と育成方法の見直しの必要性を感じました。

事務局である新村さんには運営上の質問が多く、女性活躍推進に対する予算面や体制についての質問がありました。予算的には多いものではなく、女性向けのエンガレッジ研修と管理職向け意識改革は外部講師である植田が担当していますが、育休取得者向けの多くの研修は社内講師で実施しているとのことでした。また、早藤様の発表にもありました、初の試みとして開催した手あげ式の管理職セミナー(2日間コース)は、土日で、しかも個人負担ありで実施したにも関わらず、高い参加率が見られたそうです。女性活躍推進事務は他の人事業務と兼任であるためご苦労も多いかと思いますが、一歩ずつ着実に女性活躍を進めている取り組みは大変参考になりました。ありがとうございました。

次回の研究会は、「総合職への職種転換&女性のためにロールモデル(40代、50代)の私たちができることとは」と題して、1014日(水)に開催いたします。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。

文責 キャリアカウンセラー 川村貴子、ディ・マネジメント株式会社 田中慶子、キャリアコンサルタント 山岡正子

 

【2015年10月〜2015年11月の開催予定 】

2015年10月〜2015年11月の開催日時と事例ゲストをお知らせいたします。
10月から会場が、「大崎ウィズシティテラス 2階 2B ミーティングスペース バルブ」に変更となりますのでご注意ください。 
参加には、あらかじめ研究会へのメンバー登録が必要となりますので、ご留意くださいませ。 
 
◆2015年10月14日(水)
第94回「総合職への職種転換&女性のためにロールモデル(40代、50代)の私たちができることとは」
事例発表:富国生命相互会社
人事部ダイバーシティ推進室 金子こずえ氏

◆2015年11月24日(火)
第95回「ダイバーシティ時代の管理職の人間力アップの必要性
事例発表:生活協同組合連合会コープネット事業連合
人材開発部 教育研修課長 太田邦江氏

-----会場-----
【時間】 13:30〜16:30(13:00受付開始)
【対象】 女性活用を推進している組織・担当者で、法人として個人参加される方
【定員】 原則1社につき2名まで、定員50名
【参加費】 1人4000円 ※領収書を発行いたします。
【会場】ミーティングスペース バルブ
東京都品川区大崎2-11-1大崎ウィズシティテラス 2階 2B
http://bulb.tokyo.jp/access.html
--------------

【お問い合わせ先】有限会社キュー内 女性と組織の活性化研究会事務局(植田、山岡)
E-mail  newo@que.co.jp

※メンバー登録のお申込みは、下記内容をメールにてお送りください。
・お名前(ふりがな)
・貴社名、部署名、役職名
・電話番号
・E-mail(必須)
・研究会を知ったきっかけ

【2015年7月28日(火)開催 第92回 女性と組織の活性化研究会レポート】

「『予算ゼロでも会社を変える!』立ち上がった女子力パワーの広がりと可能性」

92回となる女性と組織の活性化研究会は、「『予算ゼロでも会社を変える!』立ち上がった女子力パワーの広がりと可能性」をテーマに、日本オラクル株式会社 コーポレート・シチズンシップ プログラムマネージャ 川向 緑氏に事例発表者としてご登壇いただきました。概要は次のとおりです。

*第1部*13301500

・植田ミニ講義

・事例発表(質疑応答含む)

*第2部*15301630

・グループディスカッション

以下に、当日の様子をご紹介させていただきます。

*主宰者によるミニ講義*

今回のアンケートは29社の皆さまからご回答いただきました。女性活躍推進が会社の経営戦略に入っているか?との問いでは、60%以上の企業が「経営戦略に入っている」と回答。重点項目として入っている企業も全体の2割ありました。推進部門としては、会社人事部門が41%、会社専門部署が21%で合わせて62%となり、多くの企業が会社主導で進めていることがわかります。また、推進をリードしているキーパーソンは男女混合との回答が62%、彼らのモチベーションは概ね高いようです(高い48%、やや高い28%)。ただ、彼らの社内への影響力はモチベーションほど高くないとの結果でした(大きい28%、やや大きい24%)。女性活躍推進はどんな雰囲気で進んでいるか?との問いで一番多かった回答は「少し楽しそう42%」でした。コメントにある「兼務のため若干苦しそう」や「前例もないので不安も大きい」というのは、多くの企業に当てはまりそうです。最後の問い、今の役割を外れても女性活躍推進に関わりたいと思うか?について、87%の方が「関わりたいと思う」と回答。研究会参加メンバーの意識の高さ・思いの強さがよくわかる結果だと思いました。

植田からは、女性活躍推進・ダイバーシティ推進に対する男女の感度の違いやキーパーソンの必要条件、組織風土改革の必要性について話をさせていただきました。特に組織風土改革を進めるためのポイントの中で、「誰がリードするか」の重要性と自主的な活動も会社に認められなければただの自己満足であること、1人ではなくチームで活動することが重要であると、多くの企業を見てきた体験を踏まえて熱く語られました。

*事例発表*

続きまして、日本オラクル株式会社(以下、オラクル様)、川向緑氏より、事例発表を行っていただきました。今回、オラクル様からは同じ志しを持つ4名の素敵なメンバーも参加いただき、その明るい笑顔から活発に行われている日々の活動が伺えました。オラクル様は世界屈指のIT企業であり、世界規模のMAなども行われていることから男性女性はもとより国籍を超えた多様な人々が働く環境、ダイバーシティは日常の風景となっているとのこと。そんな中で女性社員自らが推進するボランティアグループOracle Women’s Leadership (以下、OWL)の活動が世界的に広まり、日本でも2011年から活動が開始されました。

メンバーは人事主導ではなく、「女性のリーダーシップを開発する、社内のワーキンググループの活動を支えたい!」と思っているメンバーが自主的に集まり、“魚の一本釣り”のように熱意を伝えて周囲の人を巻き込んでいく。活動の内容は、やりたいと思ったメンバーが手を挙げ、自らがリーダーシップをとって進めていき、賛同するメンバーも自分ができることで積極的に参加し盛り上げていく。フラットで機能性の高い組織体系が企業の風土となっており、アメーバのように柔軟に形を変えながらプロジェクト単位でリーダーシップを取る人が変わることを自然に受け入れることができる。また参加メンバーにとっても業務の中でリーダーとして手を挙げる事には躊躇してしまうが、OWLの活動であれば助けてくれる仲間がいるので安心して手を挙げられる、そしてそれがリーダーシップの学びの場となっているという点が素敵なポイントだと感じました。

活動はキャリア開発、ロールモデル、勉強会、サーベイの4つの分科会を中心に、お金をかけずに熱意を伝えることで社内外、多方面からの協力を得て成り立っているそうです。活動の中では男性の経営者層の方々にもロールモデルとして参加いただき、国際女性デーには経営者層から女性社員に向けた応援メッセージを発信。また、“イクボス・イクメン”や“介護”のテーマでは、自分ごととして男性社員の方も参加し、ワークライフバランスについて働き方を考える場面となったとのこと。そして、熱意と善意の集団だからこそ、自己満足にならないようお互いに意識し、活動のフィードバックや振り返りを行うことも大切にしているそうです。活動は社内だけにはとどまらず、近隣企業の女性達と繋がる“青山女性ネットワーク”では、お互いの企業を訪問したり、テーマを決めてディスカッションする場を設けるなど、女性の共感・共鳴力が横展開を成功させる鍵となっています。また、外部との協業活動が活発になるにつれ、共同セッションや大学への講師派遣などの依頼が増え、業務以外の活動で企業価値を上げ会社や社会に貢献できていると感じられることも魅力のひとつだと感じました。

ワーキンググループ内でリーダーシップを発揮する機会が増えたことで、仕事上での働き方やコミュニケーションスタイルが変わった人や、マネージャーになってみたいという気持ちを持ち始めた人、人事に頼らず、自分で自分のキャリア、なりたい姿を自分で考えるようになった人、たくさんの成長が見られているようです。今後もプロフェッショナルなボランティア集団としてOWLの活動を続けると共に、主業務を両立し、メンバーがビジネスでも成果を出すことによってOWLの価値が認められ、さらに発展していくことを目指すと語られた川向さん。素敵な発表をありがとうございました。

*グループディスカッション*

主宰者の植田と発表者の川向さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 川向さんを囲むグループでは、オラクル様シンガポール支社で実施されている地域メンタリングについて話をうかがいました。女性エグゼクティブを囲み、15名くらいでグループメンタリングを行っているとのことで、それに近いことを青山でもできないかと検討していらっしゃるとのことです。先ほどの事例紹介でも伺った“青山女性ネットワーク”についても話が盛り上がり、とても良い取り組みだと思いました。同じ業界内でコミュニティがある、異業種でも人事担当者同士の仲が良く交流があるという話は聞いたことがありましたが、同じ地域の企業同士が交流して女性活躍推進に取り組むというのは、珍しいと思います。参加者からは「会社は青山にないが、機会があればイベントを見学したい」といった声もあがっていました。また、私が印象に残ったのは、「誰かが出したアイデアに対して、反対意見やネガティブな反応は出ない。どうやったらそれが実現できるかをみんなで考える」というお話です。熱意あるメンバーが少数精鋭で取り組んでいるからこその姿勢だと思い、感動しました。

 植田を囲むグループでは、日本オラクルさまで「男女の差を感じない」というのは、どのようなことからそう感じるのか、という質問があがりました。大きな違いは「何で評価するか」で、外資系やベンチャー企業の場合は「能力」、ドメスティックな企業は「時間」で評価している傾向があるということでした。日本企業の、長時間労働が美徳とされる風潮は少しずつ改善されてきているものの、時短勤務者が周囲に気を遣いながら退社していく様子や、男性が時短勤務することに対する上司の理解の低さから、やはり長く働くことが当たり前になっているのを感じます。この意識を変えていくことが、日本企業ではますます重要になっていくことでしょう。

次回の研究会は、「女性管理職育成7年目!育ってきたロールモデルたち!と次の課題」と題して、98日(火)に開催いたします。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。

文責 株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨、キャリアコンサルタント 山岡正子

関連セミナー&講演情報
●2017年10月19日(木)20日(金)
「モチベーション・リーダーシップ」公開コース
会場:NOMA 関西本部 専用教室(大阪科学技術センタービル内) 対象:管理職及びその候補者、中堅リーダークラスの方々など

●2017年11月16日(木)17日(金)
女性リーダーのためのエンカレッジ(応援)研修
会場:NOMA 関西本部 専用教室(大阪科学技術センタービル内) 対象:女性管理職及びその候補者、 中堅リーダークラスの方々など

●2018年2月15日(木)16日(金)
『女性リーダー・エンカレッジ(応援)研修』
会場:日本生産性本部(東京・渋谷) 対象:女性リーダー、リーダーを目指す女性社員(定員24名)