【第43回】女性と組織の活性化研究会レポート

女性管理職が変える会社の風土、素敵なロールモデルのパワー


 新しい年を迎え初めての研究会が、女性管理職をテーマに、参加者1625名(オブザーバー含む)で開催されました。今回の研究会では、各社の女性管理職の実態をもとに、女性管理職育成の取り組み事例を織り交ぜながら活発に議論が展開されました。

 

 研究会は、いつものとおり、3部構成で進行しました。以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。

 

*主宰者によるミニ講義*

 事前に集計したアンケートからは、役員・執行役員、事業部長といった上位職の女性が出てきていること(役員・執行役員 16%、事業部長 13%)、60%近くの企業でここ数年女性管理職が増えている(増えている9%、少し増えている 48%)ことが分かります。これらの結果はダイバーシティ実現の証でもあります。

また、女性管理職が会社に与える影響については、60%以上が良い影響を与えると感じています。この結果から、すでに多くの企業で、女性管理職がもたらす良い影響を実感していることがうかがえます。

 講義では、女性管理職と男性管理職の決定的な違いや女性管理職を増やすためのポイントについて事例が提示されました。主宰者の植田は、女性管理職が30%になるまでは女性を応援する研修が必要であること、女性の強みである母性を活かすことの重要性に言及していました。

厚生労働省より公表されている「平成21年度雇用均等基本調査結果概要」によると、係長相当職以上の、管理職全体に占める女性の割合は8.0%(平成18年度 6.9%)と前回調査に比べ1.1ポイント上昇しています。202030%までの道のりはまだ険しいものがありますが、研究会では引き続き、女性管理職に注目していきたいと思います。

 

*プレゼンテーション*

 今回は、富国生命保険相互会社 人事部ダイバーシティ推進担当 副部長 昌宅由美子さん&女性管理職メンバーの柳川さん、山口さん、杉本さん、芦澤さん、金子さんより、『心(ハート)のある女性活躍推進を目指して』と題して、ダイバーシティ推進の取組みについてお話しいただきました。

 同社でのダイバーシティ推進の取組みは大きく3つあります。その中で今回は「障がい者雇用の推進と障がい者受け入れ環境の整備」「女性が、より能力を発揮しやすく、働きやすい環境の整備」の2点についてお話しいただきました。まず障がい者雇用に関してですが、同社千葉ニュータウン本社は、平成22年1月に、障がいのある人を雇用する取組みを積極的に行っている企業として、千葉県より「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」に認定されています。平成21年1月の時点では、法定雇用率1.8%に満たない障がい者雇用状況だったところ、同4月に昌宅さんがダイバーシティ推進担当に着任してからの様々な取組みにより改善されました。その背景には、自らの職場に積極的に障がい者を受け入れた女性管理職(柳川さん・金子さん)の協力がありました。植田の講義でも触れていたとおり、女性の強みである母性が活かされていると思いました。

続いて女性活躍推進に対する取組みの中では、女性管理職勉強会(自主運営)のお話が印象的でした。会の目的は他部門の知識や他社ダイバーシティ推進の取組みを知り、自社に取り入れられないかの意見交換をすることです。主な内容としては本研究会の報告、決算についての説明があります。勉強会後の懇親会では、ゲストスピーカーである役員や部長クラスの方から、女性管理職に向けて期待することを話してもらっているということです。この勉強会&懇親会は役員間でも好評で、まだ呼ばれていない役員・部長クラスの方々は「次は自分か」と順番待ちをしているそうです。これは、女性管理職の7名が“女性活躍推進は会社として取り組む問題である”ということを社内に浸透させつつある結果ではないかと思いました。ちなみに勉強会発足のきっかけは、昌宅さんが平成2110月に参加したパワーアップ実践塾にあったそうです。参加ごとに出される宿題を持ち帰り、人事担当者や女性管理職メンバー・女性総合職と話し合っていたことが今の勉強会につながっています。

いずれのお話からも、女性の強みが最大限に発揮されている様子が垣間見え、女性管理職が活躍することで会社の風土が良い方向に変わっていることを実感しました。素晴らしいプレゼンテーションをありがとうございました。

 

*グループディスカッション*

 主宰者の植田、そして事例発表をしていただいた富国生命女性管理職メンバーが3名ずつに分かれ、それぞれを囲むつのグループでグループディスカッションを行いました。

植田を囲んでのグループディスカッションでは「女性管理職を増やすために、女性管理職候補だけを集めて教育することは特別扱いにならないか」とのテーマで議論が展開されました。男性からだけではなく女性からも「なぜ自分たちだけ?」との声があがることを懸念されている担当者の方は多くいらっしゃいます。この問いに対し植田からは、女性を集めて研修をすることの重要性や意識してサポートしてあげることの大切さについてアドバイスがありました。

富国生命女性管理職メンバーには、一般職から総合職へ転換したことで周囲からどう思われたか、同世代の一般職女性から特別な目で見られたりしなかったかといった質問が投げかけられました。同社で一般職から総合職に転換するためにはFP試験に合格することと社内登用試験をパスする必要があります。総合職になった当初は多少特別な目で見られたこともあったようですが、努力をした人しか総合職にはなれないため、ひがまれることはなかったそうです。

その後も転換制度をテーマに各社で情報交換が続きました。

グループディスカッションに参加していると、植田からのアドバイスに加え、他の参加者から、実際の取組事例やその詳細について聞くことができます。また、熱意ある担当者の方ばかりですので、企業で不安や悩みを抱えているダイバーシティ推進担当の方はきっと参加するだけで励まされると思います。

 

 次回の研究会は、「女性が充実感、働きがいを感じるきっかけ、仕掛け」と題して、2月14日(月)に開催します。

たくさんのみなさまのお越しを、お待ちしております。

(文責 サイバックス株式会社 神田 絵梨)