【第52回】女性と組織の活性化研究会レポート


『東京研究会〜2011年総会〜』


 2011年最後の研究会は、「拡大総会」として
13社21名が参加し、盛大に開催されました。今年で3回目となる拡大総会。午後1時半から午後6時の4時間半を目一杯使って、各社10分の持ち時間のなか、2011年に実施した女性活躍・ダイバーシティ推進の施策の成果、今後の課題、女性活躍・ダイバーシティ推進にかける思い、そして2012年の目標などについて発表をしていただきました。

*事例発表企業*(「株式会社」等の表記は割愛します。)

新日鉄エンジニアリング、カルビー、オール・デサント労働組合、ミニストップ、ユーシーシーヒューマンインタレストソサエティ、富国生命保険、全日本空輸、パナソニック電工エイジフリーショップス、キューピー、生活協同組合連合会コープネット事業連合、カシオ計算機、雪印メグミルク、日立ソリューションズ

各社からの発表は、今回初めて参加されたかたにも分かりやすいように構成されており、そのスタイルもそれぞれに工夫がなされていました。また、通常の研究会では1社のみですが、今回の総会は13社の発表を一度に聞くことができる、大変密度の濃いものとなりました。

ここではすべてを紹介できませんが、以下、発表の内容について、簡単に紹介します。


【女性活躍・ダイバーシティ推進の多種多様な取組み】

女性活躍・ダイバーシティ推進の取組みと一概にいっても、その内容はまさに千差万別です。会社の組織風土や雰囲気、業種や地域性など、組織の特性に合わせて取組みを展開する傾向が強い点が、女性活躍・ダイバーシティ推進の特徴だと思います。下記、各社の発表の一部を抜粋して簡単に紹介します。

・新日鉄エンジニアリングさま:全社員における女性社員の割合が約1割というなか、異なる事業部・部門・世代の社員が参加する「女性交流会」を実施。その内容などについてお話をしていただきました。

・カルビーさま:ダイバーシティ宣言をはじめ、独自に作成したダイバーシティ活動推進ロゴマークの紹介、また、昨年に引き続き2回目の開催となるダイバーシティフォーラムのDVDを上映していただきました。DVDからは、ダイバーシティが着実に浸透している様子がよく伝わってきました。

・オール・デサント労働組合さま:労働組合ならではの取組みの展開の仕方、組合の中期ビジョンである“Smile & Dream 2014”、さらに労働組合が主催するダイバーシティフォーラムの賑やかな様子を分かりやすいパワーポイント資料で紹介していただきました。

・ミニストップさま:人事・組合・組織の三者間の協力体制、営業職における女性の産休・育休や復帰サポートにおける工夫、社内への発信方法などについて、コンビニ業界ならではのお話をしていただきました。

・ユーシーシーヒューマンインタレストソサエティさま:労働組合のプロジェクトチームである“Sweet Office Project”や、全国の女性メンバー座談会の開催などの取組みについて紹介をしていただきました。

・富国生命保険さま:女性活躍推進における男女の違いを主眼とした研修の実施、また、障がいのある人の採用における女性の協力について、大変参考となるお話をしていただきました(富国生命さまには、2月15日開催の研究会で、“一般職のキャリア成長とモチベーションアップ”と題した事例発表をしていただきます)。

・全日本空輸さま:同社の経営戦略でもある“ダイバーシティ&インクルージョン”を推進していくための意識・風土改革の実現を目指した講演・セミナーなどの企画・開催や、テレワーク(在宅勤務制度)の導入、シニア社員の活躍推進、障がい者の雇用推進、女性キャリア研修、メンター制度の実施、こども職場参観日などの多様な取組みについて紹介をしていただきました。

・パナソニック電工エイジフリーショップスさま:もともと存在していたランクアップノート(人生を豊かにするための夢実現ノート)を活用した「ワークライフバランス」を習慣化するための取組み、管理職研修の実施、「記念日休暇制度」の導入、「シゴトダイエット」など、非常に個性的でありアイデアに富んだ取組みを紹介していただきました。

・キューピーさま:当研究会に参加されたきっかけが、今回発表をされたご担当者自らが書いた社内論文がきっかけという大変興味深いエピソードや、生産部門として女性活躍を推進するためのプロジェクト発足などについてお話をしていただきました(キューピーさまには、今回の総会での発表をさらに掘り下げたお話を、3月13日開催の研究会で“肉食女子パワーでボトムアップの女性活躍推進!”と題して発表をしていただきます)

・生活協同組合連合会コープネット事業連合さま:コープネットグループの男女共同平等参画・次世代育成支援情報誌である「Withニュース」の最新版を配布していただき、それを中心に育児休職者の交流会や男性職員の育児休業取得の事例などについて発表をしていただきました。

・カシオ計算機さま:女性と管理職を対象にしたセミナー、ワークライフバランス交流会や、今後の予定施策である女性向け「キャリア」に関するセミナーやメンター制度の導入についてお話をしていただきました。

・雪印メグミルクさま:全国の女性社員の約95%をカバーした「全国ヒアリングキャラバン」では、発表者であるご担当者自らが、全国に足を運び、女性社員とその上司それぞれから直接ヒアリングを実施。細く長く、徐々に女性活躍を推進するためのコツや取組みについてお話をしていただきました。

・日立ソリューションズさま:前年度との比較を交えたダイバーシティに関するアンケート調査報告、自社と他社の主任層の女性社員を対象とした両社の女性執行役員を交えた懇談会や、合併初年度ならではのお話などについて紹介をしていただきました。


【2012年の課題】

男性社員の理解促進、無関心層・中間管理職層の意識向上、男性管理職の意識改革、会社を巻き込んでの取組みの実施、社員への周知と浸透などが2012年の課題としてあげられました。女性活躍・ダイバーシティ推進に真摯に取り組んでいるからこそ、多くの課題が出されるのだと思います。これらの課題は、引き続き、研究会の重要なテーマとして取り上げ、課題を克服すべく活発に議論をしていきたいと思います。

最後に、事前に行われたアンケート調査について、簡単に触れたいと思います。今回の質問事項は、通常の研究会で行われる個別のテーマに沿ったものではなく、拡大総会ということで、2011年を振り返る内容となりました。

「会社が女性活躍・ダイバーシティ推進に取り組んで何年ですか」との問いには、「3年以上」と回答した企業が45%となり、「2〜3年」の25%と合わせると、70%に上りました。また、今年において女性管理職は増えたかどうかについては、53%が増えた(「増えた:17%」、「少し増えた:36%」)と回答、また、女性活躍・ダイバーシティ推進は進んだかどうかについては、78%の人が進んだ(「進んだ:6%」、「少し進んだ:72%」)と回答しており、緩やかだけれども、着実に女性活躍・ダイバーシティが推進されていることが分かりました。研究会としても、成果が上がっていることは、大変嬉しいことであります。

2012年最初の研究会は、1月20日(金)に、「不規則勤務職場での女性の職域拡大、ワーキングマザーの可能性!」と題して開催します。事例発表を担当していただくのは、東日本旅客鉄道さまです。テーマも大変興味深いものとなっておりますので、初めてのかたもぜひお気軽にお越しください。

(文責 株式会社きんざい 舟山 綾)