2012年3月13日(火)開催 】第55回女性と組織の活性化研究会レポート

 

『肉食女子パワーでボトムアップの女性活躍推進!』

  昨年の3月11日の大震災からちょうど1年が経ちました。

私は、当たり前の日常や人の絆の大切さに改めて気づかされました。

皆さんにとっては、どんな1年だったのでしょうか?

今もなお地震や原発の不安、経済の低迷など厳しい時代ですが、最近パワフルで前向きな肉食女子が私の周囲にはあふれています。そして、どんどん増えている気がします。

今日は、そんな肉食女子の実態を調査してみました!

 

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

  1部*14:00〜15:30

  植田ミニ講義

  事例発表(質疑応答含む)

  2部*15:45〜17:00

  グループディスカッション

 

*主催者によるミニ講義*

 植田は研究会が始まる前に、ドデカミン(オロナミンCのようなもの)を飲み、いつもに増して気合が入っていました。それは、まさしく肉食女子そのものでした!!

 今回26社の企業のご協力を頂いた回答結果からは、肉食女子の存在だけでなく、草食男子の増加が浮き彫りとなる結果になりました。

『肉食女子が増えている・少し増えている』と感じている企業は58%。

『草食男子が増えている・少し増えている』と感じている企業は58%。

肉食女子に対しての意見は、「パワフル・前向き・チャレンジ精神旺盛」などなど前向きな意見が多い中、草食男子に対しての意見は、前向きな意見は子育てをするイクメンくらいで、ほとんどが「覇気がない・繊細・受身」などの企業の皆さんが対応に困っているのがひしひしと伝わってくるようなものばかりでした。

では、やる気のあるパワフルな肉食女子は企業の中でどのように感じ、周囲からはどのように見られているのでしょう。キャリアに対して前向きに考え向上心を持って取り組んでいる半面、職場の中にロールモデルがいなかったり、理想を追いすぎて現実とのギャップに悩んで転職をしてしまったりと、肉食女子を組織の中で活かしきれていないのが現状のようです。周囲の反応で意外だったのが、男性の上司が好意的に感じている割合が多い中で、先輩女子の反応は『否定的・分からない』が69%と若干引き気味な印象です。

植田の予想では、今後も肉食女子と草食男子は増え続けていくとのこと。なので、働くことに前向きな肉食女子にチャンスを与え、ロールモデルを作っていく。それによって、少し尻込みしていた隠れ肉食女子も可能性を広げていく。

そして、草食男子はオールドキャリア時代の軍隊型での教育ではなく、母のように接し育てていくことが必要だと植田が熱く語っていました!

私は、二人の男の子の母として草食男子ではなく肉食男子に育てていくためにも、親として自立・子離れを覚悟しなくては!と考えさせられました。

 

*プレゼンテーション*

今回は、キユーピー株式会社 五霞工場 総務課の市村友紀さんにダイバーシティの取り組みについて事例を発表頂きました。ちなみに五霞工場はキユーピー株式会社の5番目の工場として茨城県猿島郡五霞町に1972年に設立されました。279名の社員の中で女性の割合は44%と多いものの、勤続年数7.3年・平均年齢30.7歳と結婚や出産などでの女性の退職が多いのが現状のようです。また、ほとんどの女性社員は地域社員という転勤を伴わない雇用形態であり、全国転勤がある総合職になると女性社員の割合は7.7%とぐっと少なくなり、女性管理職もまだまだ多くはないようです。

今回発表頂いた市村さんは、もうすぐ入社6年目に入るという27歳。声や雰囲気は可愛らしく穏やかな印象ですが、お話を聴くほどに熱い情熱を秘めているまさしく肉食女子であることが発表から垣間見えました。

今回は、昨年の6月に社内公募の論文で市村さんが400字詰め原稿用紙40枚にも及ぶ『子を産み育てることを共に喜びあえる会社になるために』というテーマで提出したことが発端となります。1年に1度会社を良くしていくために社員から提言をしてもらおうという目的で始められた社内公募のようですが、その中で市村さんの論文が経営陣の目にとまり、市村さんがリーダーとなりプロジェクトとして始動していきます。プロジェクト名は「仕事においても家庭でも輝きながら楽しんで、様々な価値観の違うメンバーが能力をフルに発揮できる!」という強い願いから『輝楽輝楽COLORフル(キラキラカラフル)プロジェクト』に決定。全国の事業所の中から事業所長に推薦されたメンバー(女性10名)によって「キユーピーは女性にとって本当に働きやすい会社?」「女性社員が能力を発揮するためには何が問題か?」などを考え、提案内容を思考錯誤しながらまとめあげていきました。

そして、男性の経営陣の心に響く言葉とは何か?を考え、『私たちはもっと輝けるんです!「目的:お客様にもっと親しまれる素敵なキユーピーを創る!」』ということを掲げ、それを実行するために3つの具体的提案内容を提示しました。

そして、2期目のプロジェクトメンバーも決まったそうです。今回は、女性8名と工場長2名・イクメン社員1名の男性社員3名を加え、3月21日にはキックオフイベントも予定されているとのこと。市村さんが論文を提出してから、約10カ月でここまでの仕組みを作り上げてきたことには、ただただ驚いてしまうばかりです。

市村さんが発表の後半で、「全てを会社に求めるわけではなく、自分も変わっていかなければならない。」とおっしゃっていたのが印象的でした。

また五霞工場の工場長である楠本様も発表に参加していただき、明るく気さくなお人柄が伝わってきて、今後の活動の成果が大いに期待される温かい発表となりました。

市村様、楠本様、本当にありがとうございました。

 

*グループディスカッション*

主宰者の植田とキユーピー糠澤さん、事例発表をしていただいた市村さんと楠本工場長を囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

前半では、このプロジェクトが始動してからわずか10ヵ月しか経っていないのに、着々と活動を進めて、もうメンバーが2期目に入れ替わっているというスピードの速さに関して、市村さん・楠本さんに質問がありました。キユーピー五霞工場では、楠本工場長の指示のもと、あらゆる全てのプロジェクトは3ヶ月で終了するよう決められているそうです。意図としては、仮に期限を1年にしても、結局最後の1ヶ月まで何もしないことがよくあるので、あえて期間を短くしそこまでの成果を報告させているとのことでした。今回の『輝楽輝楽COLORフルプロジェクト』も例外にはせず、期限を区切ってそこまでの目標を立てさせ、進めたそうです。メンバー入れ替えについては、提言を受けて、その内容を実行していくにふさわしい、当事者意識を持った前向きな人にしたとのことでした。大きな目標に向かうとき、私の場合は「達成するために時間がかかって当然」と無意識に思っていましたが、初めから時間をかけるのではなく、あえて期限を区切って小さな目標を積み上げていくことが大切なんだとハッとさせられるお話でした。

 後半は、今回の研究会テーマのキーワード「肉食女子」の見分け方について話が盛り上がりました。楠本さんは肉食女子の見分け方として、「自分の意思を表現できるか?」「物怖じしないか?」の2点をあげていました。楠本さんから見ても市村さんは完全に肉食女子として映っているようです。

 

 2007年2月からスタートした「女性と組織の活性化研究会」。現在100社が登録しており、毎月様々な企業様に事例を発表してもらってきました。ただ、今回のキユーピー様のように、20代の女性社員の社内論文から女性活躍推進のプロジェクトが始まるケースは初めてで、主宰者の植田も非常に関心を示していました。参加者のある男性から、提言内容の素晴らしさに「まいりました」との声もあがるほどのプロジェクトですので、ぜひまた今後の成果を発表してもらいたいと思いました。

 年々進化し続ける研究会。次回も多くのご参加をお待ちしております。

 

文責:川村 貴子、神田 絵梨