64回目となる、「女性と組織の活性化研究会」では、「ダイバーシティ時代に必要な男性管理職教育!」をテーマに実施致しました。

概要は次のとおりです。

 

【第一部】14:0015:30

・植田によるミニ講義

・事例発表(質疑応答含む)

【第二部】15:4517:00

・グループディスカッション

 

当日は、1316名の方にご参加いただき、植田のミニ講義、生活協同組合連合会コープネット事業連合、太田邦江さんの事例発表、そして第2部のグループディスカッションでは活発な意見交換が繰り広げられました。

 

★植田によるミニ講義★

 はじめに、主催者の植田より、事前アンケートにご回答いただきました33社の分析結果を解説させていただきました。男性管理職を意識したダイバーシティ、女性活躍推進に関する研修については、“やっている”、“計画中”で48%、管理職に対するリーダーシップやコミュニケーションの階層別研修では、“やっている”、“計画中”で70%という高い数値結果となりました。管理職に対する研修については、一時は知識やスキル習得が中心になっていたようですが、最近では意識改革を取り込む企業が多くなってきているようです。ポイントとなる、研修や教育による彼らの良い変化は?という問いに対しては、“ある”が25%、“少しある”が56%となっており、これについては費用対効果を考えると“ある”の数値をあげていく努力や工夫が必要だと感じられました。研修後のアンケートで受講者から良い研修だったと評価をもらっても、職場に戻った時に生かされているかどうかが不明。研修をやっただけで終わらせず、現場に戻ったあとに、その人の周囲の方、チームの雰囲気がどのように変化しているかをウオッチしていくことが重要です。男性管理職に対する研修、教育に必要性は?という問いに対しては、91%が“ある”という回答。男性管理職の意識が変わらないと、ダイバーシティの推進はなかなか進まないという事実が浮き彫りとなりました。

植田からの問題提起として、(1)男性管理職教育の必要性、(2)信頼できる上司とは?(3)男性管理職の人間アップ教育のポイントがあげられました。45歳以上は軍隊型の男性管理職が多く、また、若い社員もそれで育てられてきたので、他のリーダーシップのとり方を知らないケースが多いようです。“こういう部下で悩んでいる”、という上司は、“そういう部下にしている自分がいる”、ということに気づいてほしい。今の時代、相談できる上司、話を聞いてくれる上司が一番信頼できる。この人の下で働きたい、成長できるから!と思われるリーダーになってもらえるような研修が大切ではないでしょうか。それは年齢や役職を制限した階層別研修ではなく、30代から50代のリーダー、管理職が混ざった研修こそ、多様性、ダイバーシティの研修としてふさわしい。そして、研修に携わる人たちは、研修のあとにそのチームがどのように変わっていったかをウオッチし、そこが変わらなければ、研修内容を考えなおさなくてはなりません。企業の研修、人材開発に携わる人達は、どんな想いをもってこの研修を推進しているのか、研修に対する情熱を受講生に伝えていくことが重要とうことで、バトンを太田さんへ。

 

*ゲストによる事例発表*

 

続きまして、生活協同組合連合会コープネット事業連合太田邦江さんよる事例発表を行っていただきました。冒頭にご紹介いただきましたコープネットグループの概要によりますと、女性の正規職員は全体の12.4%、正規職員の幹部は7.5%となっており、女性社員の多くは配送、宅配、店舗におけるパート社員で構成されているとのことです。ワークライフバランスの取り組みとして、夏休み期間中に親の仕事を子供が一緒に体験する“子供参観日の取り組み”が行われており、以前は、奥様が旦那様の仕事者を一緒に体験する取り組みを行っていたそうです。産休、育休職員の交流会に続いて、在宅勤務の運用も開始され、育児中、介護中、通勤に時間がかかる方々など、多様な働き方に活用されているそうです。“自らも一人の生活者として、くらしを輝かせます”という行動指針のもと、さまざまな取り組みが進められている様子が伺えました。

こちらでは2007年より植田が講師をつとめる2日間のモチベーションリーダシップコースを行なわれており、トータル30回、666名の方が受講されてこられました。対象は、部長、次長、課長、センター長、店長、副センター長、副店長と幅広いリーダー層となっています。太田さんは、なぜこの研修にこれほどの情熱をもって続けてきたのか?それは、地域によって異なった遺伝子を持ち、価値観、マネージメント手法、作り上げてきたリーダーシップの違いが相容れない状況を打破したいという強い思いでした。組織として、理念、ビジョンを統一し、行動指針を作成、元気のないマネージャー、リーダー層を意識改革し、活力のあるチーム作りを目指してこられました。今年で7年目を迎えることとなり、研修の成果が社内に浸透し、次の世代に受け継がれてきている様子が感じ取られてきているとのことでした。

 

*グループディスカッション*

 

主宰者の植田と事例発表をしていただいた太田さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 前半では、コープネット事業連合さまの男性管理職向け研修で長く講師を務める植田に、

6年を通じて講師が感じる受講生(企業)の変化」について質問がありました。植田からはここ3年の変化として、子育てに関わるイクメンが増え、それにより部下を育てることのできる人が増えているとのコメントがありました。コープネット事業連合さまでは上の階層から順に研修をしていったことで、「上司が部下に研修を勧めて、部下が参加する」という良いスパイラルができており、この点からも部下を育てる意識が社内に浸透していることがうかがえます。補足として、2007年から研修を始めて、講師が良い変化を実感し始めたのが2010年からということなので、施策を継続することの重要性を参加メンバーみなさまが再認識されていました。

 後半では、男性管理職の現状について話が広がりました。成果主義・能力主義の弊害で「心」を置き忘れてしまったという背景や、男性は日ごろ左脳を優先し頭を使って仕事をすることが多いため、仕事で「心を使う」という点がぴんとこないようです。仕事を進める上で頭を使うことはもちろん大切ですが、複数の人と関わって業務を遂行するときに、心配りは欠かせません。なぜなら、心配りの有無は人のモチベーションの高低に与える影響が大きいためです。イキイキと働く人が増えれば、組織が活性化され、業績の向上にもつながります。そのために男性管理職への「心を使う研修」が重要なのか、と参加者も納得の様子でした。

 

 次回の研究会は、「女性活躍推進を現場&グループ会社に広げるためのポイントと葛藤」と題して219日(火)に開催いたします。会場では発表者が「ここだけの本音」をもらすことも数多くあります。レポートには載らない情報も得られると思いますので、ぜひ奮ってご参加ください。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。


文責:神田絵梨 山岡正子