【第66回】女性と組織の活性化研究会レポート

ダイバーシティな組織風土改革をリードするために必要な知識、資格とその活かし方!

2012年度の最後を締めくくる「女性と組織の活性化研究会」は、新たな参加者4名を迎え、参加17社26名(オブザーバー含む)で開催されました。第66回のテーマは、「ダイバーシティな組織風土改革をリードするために必要な知識、資格とその活かし方!」とし、人事、人材開発、研修、ダイバーシティ、女性活躍推進部門でキャリアカウンセラーの資格をもつことの意義や取得した資格の活かし方等について、活発な議論が展開されました。

研究会はいつものように、ー膾房圈植田による【ミニ講義】、∋臆担覿箸砲茲觴菫箸澆鯣表する【プレゼンテーション】、2つのグループに分かれての【グループディスカッション】、という流れで進行しました。以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。


*主催者によるミニ講義*

「ダイバーシティな組織風土改革をリードするために必要な知識、資格とその活かし方!」について、事前に集計したアンケートをもとに、主宰者の植田より話がありました。

先ずアンケート結果について簡単に触れると、人事、人材開発、研修、ダイバーシティ、女性活躍推進部門でキャリアカウンセラーの資格をもっている人の数は全体の54%に上り、また、キャリアカウンセラー以外の資格を取得もしくは取得中の人も全体の58%に上ることがわかりました。

アンケート結果をふまえ、植田から、キャリアカウンセラーの資格は、人材開発部門担当者必携の運転免許証のようなものであり、積極的に取得することが望ましいという話が、自身の経験談を交えながら展開されました。同時に、キャリアカウンセラーの資格は、人事異動などがあったとしても決して無駄にはならないものであり、人事、人材開発、研修、ダイバーシティ、女性活躍推進部門の担当者は積極的に資格をとるべきだという指摘がなされました。

ミニ講義を通じて、現状の課題としては、人事、人材開発、研修、ダイバーシティ、女性活躍推進部門担当者におけるキャリアカウンセラーの有資格者の比率は上がっているものの、組織活性化において、資格をいかに有効に活かすことができるかが重要なポイントになってきているように思いました。


*プレゼンテーション*

今回は、さくら情報システム 人事部 キャリア推進グループ 部長 薄井昌子さんより、「ダイバーシティな組織風土改革をリードするために必要な知識、資格とその活かし方」と題した発表をしていただきました。事例発表をお聞きしてまず驚いたことは、薄井さんをリーダーとするキャリア推進グループでは、事務職を除き、キャリアカウンセラー等の資格をもつことが義務となっていることです。薄井さんはGCDF(GCDF-JAPANキャリアカウンセラー)、キャリア推進グループのメンバーである松永さんもGCDF、相澤さんはCDA(JCDA認定キャリアカウンセラー)、そして昨年の11月に異動してきた唯一の男性メンバーである石黒さんも現在CDA資格を取得すべく勉強中とのことです。また、キャリアカウンセラー以外にも、薄井さんはコーチ資格、松永さんはNLPトレーナーの資格をもっていらっしゃいます。

また、キャリア推進グループでは、取得した資格やこれまでのキャリアを、実施する取組みのなかで積極的に活かしていらっしゃいます。たとえば、ヒューマンスキル研修の1つであるビジネス・スキル・サロンでは、人事部のメンバーとしてではなく、キャリアカウンセラー(資格保有者)として活動をされます。また、非公式・公式に行うさまざまな層を対象とした面談においても、GCDFやCDAで学んだことを活かし、キャリアカウンセラーとして、面談者の気持ちの整理をサポートされていらっしゃいます。

さらに、薄井さん、松永さん、相澤さんは植田道場(植田が社会貢献活動としてスタートした、植田のカリキュラムの後継者となる企業の女性講師育成組織)の免許皆伝者であり、同道場で学んだ“こころのエンジン”や“7つのリーダーシップ”等の知識・経験を、メンター研修、OJTトレーナー研修、さくら情報システム版モチベーションリーダーシップ研修において、講師として活かされていらっしゃいます。

ここでは事例発表のほんの一部しかお伝えすることができないのですが、薄井さんのダイバーシティに対する思いや情熱、そしてこれまで歩んでこられた道のりにおける苦労話などにもらい泣きをされるかたもでるほど、大変感動的で素晴らしい事例発表となりました。


*グループディスカッション*

主宰者の植田とさくら情報システム松永さん・石黒さん、事例発表をしていただいた薄井さん・相澤さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 前半では、キャリアカウンセラーの資格があって良かったこと・役立つことは何かと質問がありました。それに対しさくら情報システムの松永さんからは、今まで何となく相談に乗っていたが、どう対応したら良いかを体系立てて学んだことで、応対がしやすくなったとの回答がありました。また、資格の勉強をする前は、相談を受けることで自身が疲弊していたが、うまく受け止められるようになり疲労感が減ったとのコメントもありました。社内で具体的に役立っている事例として、ある上司・部下間でコミュニケーション上の問題があったとき、キャリアカウンセラーとして部下側の相談を受け、それを上司側にフィードバックする仲介役となれている、とのお話もありました。

「キャリアカウンセラーの資格を取得したが、そのことを社内に周知できておらずあまり相談に来る人がいない」という方には、メールの署名に「キャリアカウンセラー」と入れることで宣伝になるとアドバイスがありました。これには一同共感。ひと手間の工夫で、資格が宝の持ち腐れとならないよう活かせることを再認識しました。

 後半では、「会社に反対され思うようにいかないとき、心の支えになっているものは?」という薄井さんへの質問に対する回答が印象に残りました。キャリア推進グループのチームメンバーである松永さん・相澤さんの存在はかなり大きいようです。1人ではできないことがチームならできる。社員教育にかける情熱・思いと、人事制度とのバランスをうまく取れるチームとなっていることがうかがえました。また、薄井さんが以前一緒に仕事をしていたダイバーシティ上司からの言葉にも支えられているようです。「言おうか言うまいか迷った時は言いなさい。受けとめてもらえるかどうかは相手の器次第だ。」この言葉に、私はとても感銘を受けました。素敵な上司との出会いが、今の薄井さんに良い影響を与えていることがよくわかりました。

 ダイバーシティ時代のいま、働く人々が背負っている人生は多様化しています。シニア世代の活性化も課題となっています。60代まで活き活き働く社員を増やすために、人材開発・キャリア開発部門の担う役割が、今後ますます大きくなりそうです。


 次回の研究会は、「広がるダイバーシティと自律的に考える機会の創出」と題して4月17日(水)に開催いたします。4月に新年度が始まる企業も多く、新たに女性活躍推進担当となる方もいらっしゃるかと思います。ぜひ学びの場として、当研究会を活用いただきたいと思います。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。


文責:株式会社きんざい 舟山綾、株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨