「活き活き女性管理職に求められること、外資系企業のダイバーシティ」

 

75回となる研究会のテーマは「活き活き女性管理職に求められること、外資系企業のダイバーシティ」となり、医療機器の製造、輸入及び販売を事業とするコヴィディエンジャパン株式会社 サージカル事業部 マネージャ 松尾智子さんをゲストに迎えて開催致しました。

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

*第1部*14001530

・植田ミニ講義

・事例発表(質疑応答含む)

*第2部*15451700

・グループディスカッション

以下、今回の研究会の内容をご紹介します。

*主催者によるミニ講義*

ファシリテーターの植田からは皆様からご協力いただいた事前アンケートについて解説させていただきました。女性管理職の比率については10%を超えている会社が9%にとどまり、女性管理職の最高職位は約40%が部長までとの回答でした。一番多い年代層は74%40代となり、独身管理職が増えている傾向の企業が25%、減っている傾向の企業が約11%。独身管理職が増えている企業は、男性と同様な働き方をするガンダム女子を評価するオールドキャリア体質といえ、女性ならではのライフスタイルを自然体で働く女性管理職が増えるということは、既婚女性の管理職が増えることにつながると解説がありました。2030代の女性たちのロールモデルやメンターとなる女性管理職はいますか?という問いには67%の企業がいると回答しているのに対し、反面教師となってしまう管理職はいますか?との問いには46%が反面教師がいると答えていらっしゃいました。これまでロールモデルがいないと言われて続けていましたが、ロールモデルが出てきている一方で、反面教師の存在は、次世代の女性たちが管理職になりたいとういう意欲を下げてしまうことになってしまいそうです。

女性が働き続けるようになった今、“自然体の女性管理職が増え、活き活き働いていることが企業のダイバーシティの指標となる”と提言。既婚、子供有りの女性管理職の数は着実に増えており、結婚、出産、育児の経験は「部下を育て活かす」時代のリーダーシップのアドバンテージと言えます。

*プレゼンテーション*

松尾さんが勤務するコヴィディエンジャパン株式会社は、医療機器・メディカルサプライのセグメントで業界をリードするコヴィディエングループのひとつとなり、何度かの合併、独立を経て、変化し続ける医療業界とともに歩んできた革新的な企業です。松尾さんは約5年半の営業経験を積み、フィールドマーケティング部門を経て、当時では全社で唯一の女性営業課長に昇格。千葉、茨木地区を3年半、東京地区を3年間担当後、ご自身の今後の人生とキャリアパスを考え転属希望を出し、2010年より、本社勤務での営業企画部プロジェクト推進担当マネージャーとして活躍されてきました。植田との出会いもこの頃で植田が講師として活動している「エンパワメント研修」に参加したのがきっかけとなりました。ダイバーシティ活動は2005年より社長提言で始まり、女性管理職を中心としたウィマンズネットワークでの草の根活動が基礎となり、2008年からはキャリア支援分科会、育児・育児支援分科会、採用・定着支援文化会、女性営業支援分化会が再編・始動されました。その結果、現在に至るまでに時短制度・シフト勤務制度、在宅勤務制度、メンタリング制度等、多くの制度導入が実現し、企業戦士にならなければ働き続けられなかった女性営業職も、結婚、出産後も職務に復帰できる環境が整い定着しだしたそうです。

そして、松尾さんの成長を語る時に欠かせないのが営業時代から今日にいたるまで、時には厳しく、時には暖かく指導し続けてくださったメンターの方との出会いがあります。女性営業職の定着による組織の活性化がグローバルユニットの継続的な生産性向上となるという思いのもと、US本社への海外出張の機会の推薦、新たなキャリアパスに進むことを悩んでいる際の助言、壁を乗り越えるための助言などの支援を行っていただけたことにより、高いモチベーションで仕事に取り組むことができたそうです。この経験は、第5回「メンター・アワード2013」でメンター制度の普及と活発化を図る取り組みとして表彰されました。

このような活動が、女性自身も高いモチベーションで仕事に取り組める風土改革につながり、女性が権利主張や単なる甘えではなく、本気で働く人にとって素晴らしい環境の改善へとつながってこられました。当たり前のように結婚も出産もしたいけど、しっかりキャリアも積んでいきたいという女性が増える中、支援される側から支援する側へ、屋根瓦のように重なり合い積み重ねあいながら、女性活躍推進を進めていきたいという言葉が素敵でした。

当日発表いただきました資料は、こちらから参照できますのでご確認ください。



*グループディスカッション*

主宰者の植田と事例発表をしていただいた松尾さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 松尾さんを囲むグループでは、「女性だけを集めた研修」について意見交換が行われました。ある企業では、女性だけを集めてイベントを行うことが決まっており、どのようにしたら効果的か、ネガティブ発言の女性に対するケアなどの質問があがりました。1つ言えることとして、「日ごろ各拠点に点在していて交流することのない女性は、1ヶ所に集まって話ができるだけでも効果的」というのが、参加者みなさんの共通意見でした。

発表者の松尾さんから、その他のテーマとして、過去にロールモデル育成で失敗したこと、その教訓を活かし次につなげたこともお話しいただきました。

 植田を囲むグループでは、「2030代の価値観、男性・女性の人生の生き方や働き方が明らかに変わってきている。いまの会社の構造を変えるのは女性しかいない」といった話で盛り上がりました。話の中で私が一番印象に残ったのは「ナナロク女子」という言葉です。

1976年以降に生まれ、98年〜2000年前後に社会人になり、総合職として働くのが当たり前になった世代の女性をこう呼ぶのだとか。ナナロク女子は、ちょうど30代後半を迎え、管理職を目指す年齢になってきています。今後、会社を変える中心的存在になっていきそうです。

 

 次回の研究会は、「ダイバーシティ4年目に見えてきた課題」と題して、東京219日(水)・大阪224日(月)に開催いたします。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。

文責:株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨 キャリアコンサルタント 山岡正子