『女性活躍推進のための男性上司&女性部下ペア研修の効果』

 

今回は、新しい会場(五反田のゆうぽうと)での記念すべき第1回の研究会です!

事務局の私たちは初めての会場での準備にバタバタしていましたが、そこはわれらが“植田姉御”!!「こうしたほうがみんなが見やすいわよ!」「コートかけはここがいいわ!」などなど、キビキビと的確な指示とともに自ら動き回っていました。さすが元祖肉食女子!!その姿はサバンナで子どもたちのために獲物を狙うメスライオンのよう(*^_^*)。植田の仕事への熱い情熱がこんなところでも感じられた出来事でした。

そして、嬉しいことに今回の参加者は38名の大人数!そのうち男性は10名(これは今までの男性参加人数の中で一番多いのでは?)。初参加の方々も多く、熱気あふれるフレッシュな研究会となりました。

 

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

     1部*14001530

                   植田ミニ講義

                   事例発表(質疑応答含む)

     2部*15451700

                   グループディスカッション

以下、今回の研究会の内容をご紹介します。

 

*主催者によるミニ講義*

今回、アンケートに回答いただいた37社においては、女性男性が全員参加する女性活躍推進、ダイバーシティ推進の研修や講演を開催したことがある会社が27%で、開催したことの効果は、かなりあったが10%・ある程度あったが45%と何かしらの手ごたえを感じた会社が多いようです。

女性だけを対象とした女性活躍推進、ダイバーシティ推進の研修や講演を行っている会社は35%、過去に行ったが今は行っていない32%、計画中8%と、この3つを合わせると75%もの会社がアクションを起こしているという結果になりました。そして、実際に行った効果は、かなりあった30%・ある程度あった57%と女性の場合はかなり効果があることが感じられます。そう感じた理由にはモチべーションアップや女性管理職を目指す人の増加などプラスの意見が多い中、「育児休業や短時間勤務の利用につながったが、楽々キャリアを志向する人が増えた」という意見もありました。

男性管理職だけを対象とした女性活躍推進、ダイバーシティ推進の研修や講演を行っている会社は19%、過去に行ったが今は行っていない11%、計画中8%と、この3つを合わせると38%と女性だけを対象としたものと比較するとかなり少ないようです。開催した効果は、かなりあった15%・ある程度あった35%となっており、満足感はあったもののその後の行動にはなかなか結びついていない状況のようです。

それらに対して、男性管理職、女性部下両方が参加する女性活躍推進、ダイバーシティ推進の研修や講演を行っている会社は22%、過去に行ったが今は行っていない5%、計画中16%となっており、開催後の効果については、かなりあった11%・ある程度あった60%とかなり高い数字になっています。ペアでの参加により、お互いを理解し尊重しあえるきっかけになっているようです。

これらの結果から見えてくることは、男性上司&女性部下ペア研修によって、男性管理職は意識・行動変革に直結しやすく、女性たちはキャリアを見つめ上司との信頼関係を築くきっかけになる可能性が高いということです。やはり女性が活躍するためには、男性管理職を巻き込んでいく必要性を改めて痛感しました。

*プレゼンテーション*

今回はオール・デサント労働組合 中央執行副委員長の櫻井紀彦さんと中央執行副書記長 吉田順子さんに『女性活躍推進のための男性上司&女性部下ペア研修の効果』について発表していただきました。

今回発表いただいたオール・デサント労働組合は、母体はもちろんスポーツブランドで有名な株式会社 デサントです。 “すべての人々にスポーツを遊ぶ楽しさを”を企業理念として自社ブランドはもちろん他社ブランドも取り扱っています。私はマラソン・ママさんバレーボール、息子はサッカーとスポーツ一家の私にとっては、いつもお世話になっている会社の労働組合ということでワクワクしながら聴き入ってしまいました。

労働組合で女性活躍推進に取り組んだ背景は、年配の社員の女性が少なくいびつなヒューマンツリーになっており、従業員の多様化や契約社員(シニアも多い)の増加している現状の中での女性活躍推進の必要性を感じたことと、労働組合としても戦う活動から広げる活動に転換していく上で女性の育てる力や視点を発揮して欲しいという想いからでした。

2010年度から本格的に始動し、まずは派遣型中心の活動で外部の女性リーダー研修や女性と組織の活性化研究会に参加していきます。2011年度には社内の声を聴く!課題を掘り起こす!ことを意識した活動の一環として記念すべき第1回ダイバーシティフォーラムを開催されています。今日の発表に向けて用意いただいた資料の中にその時の様子が映っている写真が載せられているのですが、男性も女性も笑顔・笑顔!!素晴らしいのは、この後第2回・第3回とダイバーシティフォーラムを毎年開催されているということです。翌年2012年度には男性も管理職も一緒に研修を受ける機会を作り、2013年には支店や営業所にも2010年当初から立ち上げていた女性社員交流の場(adu-cafe)を広げていきました。

そしてついに女性部下と男性上司の合同セミナーが開催されます。開催に踏みきった背景には、人事制度改定が大きく影響しているようです。2010年に人事制度コースを一本化するも風土に浸透せず、2013年にグローバルとエリアコースを新設し、キャリアアップの弊害である転勤の要件を排除しましたが賃金格差がついたことで旧総合職の女性が反発。制度で100%カバーできるわけがない。女性部下は自らがロールモデルになるために、自分のキャリアについて上司といっしょに考えてみよう!男性上司は、女性部下の育成を一緒に考えて、学ぼう!という想いを込めてのものでした。

全国から女性部下を公募し、その部下が上司を指名して、外部研修施設で12日の女性部下と男性上司の合同セミナーをいよいよ実施しました!その時の写真から、どんどん打ち解けていく部下と上司の様子がとてもよく伝わってきます。終わった後でのアンケートでは、上司全員がこのセミナー開催に前向きな意見で、自分を知り部下を理解する貴重な機会だったと感じられたようです。部下も上司も、一人の人間として心を開き、固定概念の枠から解き放たれて、相手を理解し、尊重することの大切さとそれが自分自身をも理解し大切にすることにつながることに改めて気付いたのではないでしょうか。

こういったオール・デサント労働組合の活動が、いよいよ会社全体に広がっていき、デサントダイバーシティの具現化に動き出しています。お互いが協力して会社を動かしていく!!決して簡単なことではないけれど、不可能なことではない。そんな大きな希望を感じさせてくれたすばらしい発表でした。そして、すぐに結果が出なくても続けていくことの大切さを本当に感じました。櫻井さん、吉田さん、本当にありがとうございました!!

*グループディスカッション(東京)*

主宰者の植田と発表者の櫻井さん、および発表者の吉田さんとオール・デサント労働組合 中央執行委員長の菅原さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 上司側代表の櫻井さんには、上司として参加した方々の研修前の意識や、研修後の変化について質問があがりました。上司の方々は概ねダイバーシティに強い関心を持っていたわけではなく、部下から指名されたため参加したという状況だったようです。ただ、研修を受講したことでの気づきは大きかったようです。後日回収した受講後アンケートについては、特に上司側の回答スピードが速かったそうで、研修での感動体験・気づきを忘れないうちに整理しておこうとの姿勢がうかがえます。その他、デサント様でそもそも一般職を廃止し、総合職一本化にした背景や、その後グローバルとエリアを選択できるようにした経緯などの質問もありました。働き方が多様化する中で、女性に限らず社員1人ひとりがグローバル/エリアを選択できるようにしたことで、介護など家庭の事情で転勤できないケースにも対応できるようにしたそうです。

 後半には、本研修について経営層から何か成果・結果を求められたかとの質問があがりました。今回は、労働組合主催で行ったため、企業の人事が企画するものとは違う位置づけであると回答しつつ、菅原委員長としては会社側で行ってほしいと思っていた研修であったため、今回の反響を受けて次回の実施は会社側が引き取ったということが、ある意味成果だと話していました。

*グループディスカッション(関西)*

関西のグループディスカッションでは、2つのグループに分かれ、それぞれの島に主催者の植田と発表者の吉田さんが入り、1時間に渡って活発な意見交換が行われました。

 ご参加の皆様は、吉田さんのご発表をお聞きになって「男性上司&女性部下ペア研修」の絶大な効果に驚いた様子。しかし自社では前例がなく、またそのような研修が受け入れられる風土があるかどうか判断がつかず、実施は難しそう…と感じておられる方も少なくないようでした。

ただ、「参加者はどういう基準で選んでいますか?」「参加したがらない男性上司を説得するのにどういうやり方をされていますか?」など、かなり具体的な質問も飛び出し、難しいながらも実施に向けて動き出してみたいという強い想いを感じ取ることができました。

デサントさん以外の関西企業でも、こうした取り組みが広がり、女性活躍推進がますます加速することを願わずにはいられません。

文責:キャリアコンサルタント 川村貴子、株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨、一般社団法人日本経営協会 寺田和紀