「肉食女子・草食男子、変化する若手世代の実態と育て方」

 

 今回の研究会は決算時期ということもあり、参加人数は716名と少人数だったのですが、その分密度が濃く、とてもアットホームな雰囲気で開催されました。最近よく耳にする肉食女子と呼ばれる明るく元気な女の子と、草食男子と呼ばれる優しくて大人しそうな男の子たち。さて、実際企業ではどうなのでしょうか?今回は、さくら情報システム株式会社 人事部 キャリア推進グループ グループ長 薄井昌子氏、チーフマネージャー 松永裕子氏より人事から見た今の若者たちについて発表していただきました。(部署、役職は発表時で記載)

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

*第1部*13301500

     植田ミニ講義

     事例発表(質疑応答含む)

*第2部*15301630

     グループディスカッション

以下、今回の研究会の内容をご紹介します。

*主催者によるミニ講義*

今回、アンケートにご回答いただいた24社においては、「会社に肉食女子はいるか?」という質問に対して、51%が「いる」と回答しており、どんどん増加傾向にあるようです。そして、「会社に草食男子はいるか?」という質問では「いる」が55%。こちらも年々増加の一途とのこと。ということは、これからもどんどん肉食女子が増え、草食男子が増えていくのでしょうか?

肉食女子のモチベーションは「高い」と答えた会社は37%、草食男子のモチベーションは「高い」と答えた会社は5%と、若手社員は女子が元気で男子は元気がないという見解を持つ会社が多いようです。草食男子に対してそのように感じる理由には、「受け身」、「待ちの姿勢」、「表に出てこない」などなど厳しい意見が多くありました。また、男女ともに20代の若手社員に対して、「自分からという姿勢が弱い。」「管理職になりたくないと考える人が多い。」「プライベート重視で上昇志向がない。」というような印象を感じている人も多く、では、そういった20代の若手社員と先輩たちの関係はどうなのでしょうか?アンケートの結果では、30代先輩世代と若手社員のコミュニケーションは「良い」が21%ですが、40歳以上の先輩世代と若手社員のコミュニケーションは「良い」がわずか「4%」。オールドキャリア時代を生きてきた先輩方とニューキャリアの若者たちは、大きな溝がありお互いを理解し合うことがなかなか難しいのでしょう。

そんな若者世代に関して問題や課題を抱えている企業は「抱えている」「少し抱えている」の合計が70%と、会社経営の視点から見ても大きな問題になっているようです。だからこそ、若手社員たちへの育成に関して79%の会社が何かしらの施策を行っています。若手の状態は自分たちを映し出す鏡!昭和な組織ではなく、会社を『人生の学校』と考え、若手社員を育てて生かしていくことがこれからますます必要になっていくのでしょう。

*プレゼンテーション*

今回は、さくら情報システム株式会社 人事部 松永さんに『肉食女子・草食男子、変化する若手世代の実態と育て方』をテーマに、松永さん自身が人事として関わってきた若者たちの事例を発表していただきました。さくら情報システム株式会社は197211月に設立され、現在約1100名の社員が働いていらっしゃいます。IT企業ということもあり、男女比率は73とまだまだ男性が多い職場のようです。

さくら情報システム株式会社では、入社16年目の社員への研修を体系化しているそうで、社会人基礎力をはかるアセスメントを取り入れて、IT技術研修だけでなくヒューマンスキルを伸ばすような研修を盛り込み、人としての成長をも会社としてサポートしているとのことです。

その中で松永さんが若手社員に対して感じたことを、とてもわかりやく男子と女子に分けて説明してくださいました。また、たくさんの事例を盛り込んでお話しいただけたので、まるで私自身がその場にいるように、話された情景が目に浮かんでまいりました。発表の中では何度も苦笑いが起こるほど、若手男性社員の草食化はかなり深刻なようです。2006年頃から草食男子が増え始め、2010年からは草食男子は急増。自分でお弁当を作り、人に見せることも気にならない男性社員も出てきました。2012年の採用では草食男子はいったん減ったものの、2013年からはまたもや増加。若手男性社員の草食化はまだまだ続くのではないか?と松永さんは話されていました。

若手男性社員を本当の「社会人」にしていくためには、「小学生の子どもだと思って育てる⇒ママパワーを活用する」、「男女で役割を分担して考える⇒OJTは女性の先輩、メンター的関わりは男性の先輩が担当」、「昔ながらの男性上司との関係は、先輩とのつながりの延長から徐々に作っていく」、「音沙汰がないのは進んでいるわけではない⇒こまめに確認(最初はLINEの既読機能のような確認、次に直接確認)」などがポイントとしてあげられ、社会全体で育てていく必要性を熱く語られているのが、とても印象的でした。

そして、最後に松永さんの上司である薄井さんがご登壇!さらに熱い口調でお話ししてくださいました。さくら情報システム株式会社の面接では、応募者一人に対して2時間をかけるというほど力をいれており、ホームページの採用のコーナーには『熱血さくら塾〜わたしたちを面接するくらいのつもりで来てください〜』と書かれていらっしゃいます。薄井さんのお話からも「人財」への熱い想いがビシビシ伝わってきました。

松永さん、薄井さん、笑いあり、涙ありの本当に素敵な発表をありがとうございました!そして、今回発表された松永さんは、長年活躍された人事を離れて新しい部署に異動されることが決まったとの発表がありました。新しい職場でも松永さんの姉のような母のような優しさで、悩める草食男子たちを立派に育てていかれることでしょう。

*グループディスカッション*

主宰者の植田と発表者の松永様およびさくら情報システム薄井様を囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。

 今回は参加人数が比較的少なかったこともあり、一人ひとりがたくさん発言し、とても濃密なディスカッションとなりました。30代前半の男性は、さくら情報システムさまの発表を聞いて、自身も「草食かも」と思い当たる点があったようです。草食の自分が20代草食男子を育てるにはどんなことに気を付けるとよいか?という問いに始まり、身近な草食男子の特徴やエピソードを各自発表しながら、こんなときどう対応したらよいかなど意見を交わしました。その中で私が印象に残ったのは、ひと昔前には「入社から3年で一人前」といっていた成長スピードが、今では「5年かけて一人前になれるかどうか」と遅くなっているというお話です。社会人になるまでの期間で、母親に手取り足取りサポートしてもらった草食男子には、「一人前になる=自立する」ことがとても難しく時間がかかるのでしょう。話を聞けば聞くほど、子離れできていない母親の責任が大きいと感じました。

 事務局として参加していた私も、ついメモを忘れて皆さんの話に聞き入ってしまいました。現在私の勤務している会社が新卒採用をしておらず、周囲に20代社員が少ないため、今回のお話は驚きと笑いの連続でした。

 次回の研究会は、「労働組合が昭和体質を脱皮し、女性活躍&ダイバーシティのリーダーになる必要性」と題して、422日(水)に開催します。労働組合のある企業の皆さまは、

ぜひ労働組合メンバーもお誘いあわせの上、ご参加ください。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。
文責:キャリアカウンセラー 川村貴子、株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨