『女性管理職育成7年目!育ってきたロールモデルたちと次の課題』

  女性と組織の活性化研究会も93回となり、100回開催までカウントダウンが始まりました。今までの93回の間に、どんどん新しい企業も加わり、女性活躍推進の関心が高まっていることは明確です。この研究会を通して、素敵な企業同士のつながりをもっていただけたら嬉しい限りです。

 今回は、滋賀銀行 人事部 人事グループ 調査役補 女性活躍推進委員会事務局 新村真紀子様と人事部 研修グループ 課長 早藤泰宏様に発表いただきました。

研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。

     1部*13:301500

     植田ミニ講義

     事例発表(質疑応答含む)

     2部*153016:30

     グループディスカッション

以下、今回の研究会の内容をご紹介します。

*主催者によるミニ講義*

今回、アンケートにご回答いただいたのは29社の皆様です。その結果によると、女性管理職が増えていると感じている企業(増えている24%、やや増えている52%)が76%の高い割合なのにもかかわらず、女性管理職の比率はまだまだ少ないのが現状のようです。ご回答いただいたなかで女性管理職の最高職位に執行役員を務めているという企業が29%ございましたが、管理職を務める女性の中でワーキングマザーの割合は少なく、仕事一筋の独身女性が管理職になることがまだまだ多いというのが実情のようです。男性の管理職は既婚者が多いのに比べると、とても残念な現状です。一体、それはどうしてなのでしょうか?2030代の女性たちのロールモデルやメンターとなる女性管理職は、たくさんいると回答した企業は10%。研究会に参加されている企業だけに、イキイキと働く女性管理職が多いのでしょう。ただ、結婚はしていても子どもがいない人や、仕事最優先で男性と同じ価値観を持っている人が多いという意見もありました。やはり、企業として女性管理職の育成・応援に関してのセミナーを継続していく必要性を痛感します。本人が自分と向き合い、新しい気づきがあったり、ワークライフプランを考える機会になるのです。しかし、残念なことにこういったセミナーを行っている企業は48%ととても高い割合にもかかわらず、その結果良い影響や変化が感じられない企業が24%もあるのです。やり方に問題があるのかもしれません。女性管理職の育成・応援に関しての悩みを抱えている企業は80%(ある52%、少しある28%)と非常に高く、一歩踏み出せない女性や管理職を希望していない女性もまだまだいるため、企業としてどうしたらいいのかわからないことも多く問題は山積みのようです。

植田の話の中では、女性リーダーの根底にある母性のパワーを信じて、企業戦士ガンダム女になってしまっている女性管理職のガンダムスーツを脱がせて“素敵”にさせるという話がとても印象的でした。女性としての素敵な面を生かして、管理職になってもキラキラしてほしいと願うばかりです。

*事例発表*

今回は、『女性管理職育成7年目!育ってきたロールモデルたちと次の課題』といテーマで、滋賀銀行 人事部 人事グループ 調査役補 女性活躍推進委員会事務局 新村真紀子様と人事部 研修グループ 課長 早藤泰宏様に事例発表をしていただきました。

新村様は平成8年に滋賀銀行に入行され、平成13年に結婚、平成21年に男の子を出産し、まさしくワーキングマザー真っ最中です。

滋賀銀行では、平成1812月に女性活躍推進委員会の事務局を設置し、早くから女性の能力開発に取りかかっています。この委員会では、「風土づくり(意識改革)」「キャリア形成支援(女性の登用、職務開発)」「制度の充実(ワークライフバランス)」を3本柱に取り組んでいます。

 女性活躍推進の風土づくり(意識改革)としては、頭取からのメッセージを発信し、行内報(年に4回発行]や行内テレビニュースで女性活躍推進委員会の取り組みを紹介したり、ロールモデルの紹介などを行っています。また、休日を利用して知識を深めることができる“ゆとりプランセミナー”を企画し、平成20年に始まったこのセミナーはすでに8回の開催となり合計で1344名という多くの方々が参加されたとのことです。

 制度の充実(ワークライフバランス)としては、育児休業によって職場から離れていることへの不安を和らげることを目的に、子供と一緒に参加できる“育休mamaセミナー”を2009年より18回開催し、これまでに342名のママと304名のお子様が参加しています。最新の銀行情報に加え、育児休業中の行員同士が情報交換できる場を提供しています。育児休業後も“育休復帰後セミナー”が実施され、女性にとっての大きなライフイベントに対して、様々なフォローアップの仕組みがあり、素晴らしい取り組みだと思いました。また、“半日年次有給休暇制度”があるため、育休後働き続けていく上で、子どもの病気や予防接種、授業参観などで活用でき、ワーキングマザーにとってはとても助かっているようです。また、男性行員が配偶者の出産時に付き添いができる制度“配偶者出産特別休暇制度”も整っています。

キャリア形成支援(女性の登用・職務開発)としては、植田が講師として担当している「女性リーダー・エンカレッジ講座」を毎年開催し、女性同士のネットワーク構築をサポートすると共に女性の配属が少ない部署でのロールモデルの育成となるよう、いろいろな切り口で女性行員たちの意欲形成にアプローチしています。これらの継続した取り組みは、確実に数字になって表れてきており、1981年には9名ほどだった女性管理職が、現在は180名近い皆様がご活躍していらっしゃるとのことでした。

研修グループの早藤さんからは、.ャリアロス防止策(出産・育児支援)、長時間労働の見直し、若い時から男女とも同じカリキュラムの研修、じ従譴隆浜職(支店長)の意識改革、などの取り組みについてお話しいただきました。特にい任蓮⊃田の研修を受講した女性たちのほとんどが、支店長にも受けて欲しいという感想をアンケートに書いていたことから、管理職を対象とした「モチベーション・リーダーシップ2日間〜人間力を磨く研修〜」の宿泊研修を実施されたとのこと。受講後の感想の中に「厳しくすることが育成と思っていた。」「先日、部下から相談され対応したが、もう一度やり直したと思った。」など、多くの気づきを得ていただけたとのことでした。

お二人の発表をお聞きして、様々な取り組みを継続して行っていくことの大切さを教えていただきました。また、滋賀銀行として、女性だけでなく、次世代や環境まで大きな視野をもって素敵な未来に向かって努力されている姿に感動いたしました。本当に貴重な発表をありがとうございました。

*グループディスカッション*

後半のディスカッションでは、新村様と早藤様と2つのグループに分かれ、さらに具体的な内容に踏み込んだ質問が飛び交いました。支店長経験をお持ちの早藤様のグループでは、女性管理職が増えない理由として、大きく2つの問題がある点が話題となりました。1つ目は育成者の意識の問題、2つ目はお客様の意識の問題です。例えば、管理職として長期にわたって男性と女性を育成していく中で、出産、育児などのライフイベントで途中抜けてしまう女性を管理職が育てたがらない上司が一部いる。また、「女性に経営の相談はできない、任せられない」と感じているお客様の意識もあるようで、男性を育成することを優先してしまう上司がいる。女性の適性や能力というよりは、育成に携わる上司、管理者の意識改革と育成方法の見直しの必要性を感じました。

事務局である新村さんには運営上の質問が多く、女性活躍推進に対する予算面や体制についての質問がありました。予算的には多いものではなく、女性向けのエンガレッジ研修と管理職向け意識改革は外部講師である植田が担当していますが、育休取得者向けの多くの研修は社内講師で実施しているとのことでした。また、早藤様の発表にもありました、初の試みとして開催した手あげ式の管理職セミナー(2日間コース)は、土日で、しかも個人負担ありで実施したにも関わらず、高い参加率が見られたそうです。女性活躍推進事務は他の人事業務と兼任であるためご苦労も多いかと思いますが、一歩ずつ着実に女性活躍を進めている取り組みは大変参考になりました。ありがとうございました。

次回の研究会は、「総合職への職種転換&女性のためにロールモデル(40代、50代)の私たちができることとは」と題して、1014日(水)に開催いたします。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。

文責 キャリアカウンセラー 川村貴子、ディ・マネジメント株式会社 田中慶子、キャリアコンサルタント 山岡正子