2016年最初の研究会は、2015年を振り返る「女性活躍推進、ダイバーシティ推進の現状と今後」と題して開催し、オブザーバー、事務局含め8社16名の方々に参加いただき、7社の皆さまに発表いただきました。
 以下、当日の内容について、ぞれぞれ一部をご紹介させていただきます。

                               *各社事例発表*

【事例発表企業様】*「株式会社」等の表記は割愛させていただきます。

魚力労働組合さま、大塚家具さま、オムロンさま、三菱自動車工業さま、ユーシーシーヒューマンインタレストソサエティさま、オールデサント労働組合さま、UAゼンセン流通部門さま

★魚力労働組合さま
魚力労働組合さまからは委員長の半澤あゆみ氏が発表してくださいました。本体である株式会社魚力は鮮魚及び寿司の小売事業と飲食事業を展開している会社です。2015年3月には東証一部上場をしました。正社員400名ほどで女性社員は38名という男性社会で、女性管理職はまだ2名という状況です。組合員は現在正社員のみなのですがご自身がパート社員から正社員になったこともありパートの方も組合員にするという夢に向かって日々努力されていることがビシバシと伝わってきました。男性社会の中でワーキングマザーとして活躍してきた半澤さん、労働組合として今まで働きかけてきたことが今年は芽が出そうとのこと。今年は魚力労働組合さまの変革に目が離せない一年になりそうです!

★大塚家具さま
大塚家具さまからは、人事部の松本美穂氏が発表してくださいました。大塚家具さまでは、2013年に人材多様化推進プロジェクトが発足され、各店舗から1名様々な属性の社員が集まり、意見を交換しています。女性だけに限らずにいろいろな年代の社員が集まることで多角的に意見が収集できると考えたからです。2015年には、直属の管理職と育休から復帰した社員が一緒に受講する育休復帰セミナーを開催したり、始業時間を1時間早めにした勤務形態のママさんチームが発足したりと様々なチャレンジがありました。今年は、社員が有給休暇や介護休暇が取得しやすいように経営陣に提言書を提出する予定です。2030年までに女性管理職の比率を30%にするという目標が達成する日が楽しみです。

★オムロンさま
当社でも女性活躍推進として、女性管理職拡大の数値目標を掲げています。一部の女性メンバーは数値目標に対して、自分自身にプレシャーがかかると感じるメンバーもいたのですが各事業所を回り丁寧なコミュニケーションをすることで、数値目標を設定する意義は、会社・管理職サイドを本気になさせるためのもので必要なことと、理解を得ています。2013年から始めている管理職候補の女性向けに、女性リーダー育成研修を実施。すでに100名が受講済みです。育成にあたり必要なものはWillとSKILとNETWORKですが、その中でもWillとNETWORKづくりが重要だと考えます。また、スキル習得だけでなく女性をエンカレッジするプログラム構成にしています。他には育ボス起業同盟への加盟、京都のダイバーシティ推進企業との勉強会への参加など先駆的な企業と一緒に学び情報収集をしています。また、介護関係にも活動を広げ、「近い将来、男性社員も介護問題を抱える」ことを鑑み、『お互い様』という意識を持っていただくことで、ダイバーシティは全社的に取り組むものであるということの啓発活動を行いました。これまでの取り組みで感じたことは「男女の違いを理解した上で自分の成長と会社への貢献のベクトルが合うように、自分にあった活躍の姿をどう描いていくのか」ということです。その課題解決のためには、上司との『対話』と『腹落ち』が重要であり、女性に限らず今後、働くすべての人に共通して求められるものであるということの認識が重要であると考えます。

★三菱自動車工業さま
2015年にダイバーシティ推進室は推進部へと規模が拡大し、女性活躍推進だけでなく介護や働き方の多様性などにも活動を広げました。ダイバーシティへの理解は管理職層や女性には浸透してきたものの、ボリューム層である一般層の男性にはまだ理解を得られていないというのが課題でした。そこで2015年度は『Diversity Report』という社内報を作成し社員に配布することで全社的な理解が深まりました。次に女性活躍推進は―性管理職育成と育休者・復帰者・時短社員のサポートを中心に行いました〃個控蕕僚性リーダーに対し半年間の研修プログラムを実施しリーダー育成を促進育児休業者、育児勤務者を対象にランチ懇親会を実施し、育休復帰後部門を超えて悩みや心配事を相談できる場とネットワークづくりを行いました。また、介護に関するセミナーも実施し、女性だけでなく介護を抱えた社員をサポートする制度や相談窓口があることを周知しました。今後もダイバーシティ推進部は、女性だけでなく、社員一人ひとりが輝き続けられるよう取り組みを拡大してまいります。※余談ですが、『Diversity Report』は新卒採用にも活用され、働きやすい会社を女性にアピールするつもりで説明会に持って行ったが、なんともらいに来るのは男子学生ばかり。男子学生のダイバーシティへの関心の高さを改めて感じました。

★ユーシーシーヒューマンインタレストソサエティさま
前半は、組合の2015年度活動方針「自立」に基づく取り組みについてご紹介いただきました。特に、Sweet Office Project(女性委員会)で、エリア女性メンバー座談会を行ったこと、UCCホールディングス副社長・人事本部長とプロジェクトメンバー4名との経営懇話会を開催したことなどは詳細をお話いただきました。後半は、今後の方向性について発表いただきました。これまでは労働組合様主導で進めているダイバーシティ推進。今後は会社との連携により「制度」と「意識」の両輪で加速させること、トップメッセージ発信やダイバーシティ推進室の
設立などの目標を掲げていらっしゃいました。

★オールデサント労働組合
労使の現状・課題、2015年度の活動、今後に向けてと大きく3点お話しいただきました。
労働組合の課題としては執行部に女性が少ないことを一番に挙げていました。会社側の課題は、50歳以上の男性総合職が多く、ヒューマンツリーがいびつな形であることを挙げていました。2015年度の活動は、メンター制度の導入、そこで見えた課題、KANSAIなでしこCAF?についてご紹介いただきました。2016年はダイバーシティ推進の専門部署設立へ向けて動き、女性リーダー登用数の増加や介護・障がい者雇用に関する取り組みにも注力していきたいという思いをお伝えいただきました。

★UAゼンセン流通部門さま
2015年4月の研究会で発表いただいた事例のその後も含めて、2015年の取り組みと今後の抱負をお話しいただきました。労働組合が直面している課題は女性活躍推進だけでなく次世代組合員の育成もあり、男性が中心となる昭和体質の組合の中で、宮島さんが担当する”男女”と”パート”をキーワードに裾野を広げる活動を推進。長時間勤務、土日祝日勤務、深夜営業、転勤などが理由となり、男女共に定着しないと言われる流通産業ですが「子育てしながら働き続ける」をキーワードに、定着できる産業への変革を目指して、宮島さん自身が一般事業主行動計画策定支援マニュアルの検討委員会にも参画。また、UAゼンセン流通部門が取り組む「休日保育の充実を求める流通100万人署名運動」では、約65万名を集め内閣府に提出されました。今後やりたいこと、やるべきことの一つとして、「マタハラ降格に賠償命令、女性が逆転勝訴した広島高裁差し戻し審」を例に、隠れマタニティハラスメントの撲滅をあげられました。管理職で戻ることの重要さ、育児をしながら働き続けられる社会、全ての女性に活躍の場を!と熱い思いをお話しいただきました。

次回の研究会は、「ダイバーシティ推進、成功企業に学ぶ 〜5年の歩みと結果そして展望〜」と題して、4月22日(金)に開催致します。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。

文責:キャリアカウンセラー 川村貴子、ディ・マネジメント株式会社 田中慶子、株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨、キャリアコンサルタント 山岡正子