『危険な女性内格差!30代ベテラン層の女性たちのモチベーション向上の必要性!』

 今回は、各企業において問題が顕在化している、企業内における女性内の意識格差がテーマとなりました。テーマへの関心の高さを表してか、参加者数42名と過去最高を記録するなかでの開催となりました。初参加および男性の参加者も各6名ずつとなり、会場はいつにも増して賑やかな雰囲気のなか、活発に意見交換がなされました。

 

 最初に、研究会の流れを簡単に紹介します。約3時間におよぶ研究会は、3部構成となっており、1.主宰者・植田による約20分のミニ講義、2.参加企業さまからの事例発表、そして、3.2つのグループに分かれてのグループディスカッションで構成されています。以下、今回の研究会の内容を簡単に紹介します。

 

◎主宰者によるミニ講義◎

 参加企業のご担当者さまに事前にご回答いただいたアンケート結果からは、女性社員のモチベーション・キャリアに対する意識格差は社員全体においても、また年代においても顕著に表れており、女性全体の約70パーセントが意識格差が『ある』と回答していることがわかりました。この結果を受け、主宰者の植田から、女性内格差による弊害、そして、格差を解消していくことの重要性について話がありました。講義からは、モチベーションが高い層と低い層による意識的な格差が広がっている背景が明らかになりました。そして、その格差は、総合職と一般職、独身と既婚といったような関係において生じやすく、また、特に結婚、出産等の変化が多い30代の女性において顕著に表れており、働くうえでとても大きな問題となっているとのことでした。たとえば、総合職と一般職等における構造的な対立や確執があげられます。その他にもさまざまな弊害があげられていましたが、結論として、意識格差の問題を放置すると、組織にとって悪影響を及ぼすということです。企業が積極性を持ち、女性内意識格差の問題に対して、継続的かつ複合的な対策をとることがとても重要であると感じました。

 

◎参加企業による事例発表◎

 今回は、全日本空輸株式会社(全日空)人事部いきいき推進室室長 宮坂純子さんより、同社における女性活躍推進に関する取組について、事例を交えて発表していただきました。全日空さんは、航空会社という職種からか女性社員の割合が高く、女性が全社員の約半数を占めており、そのうち8割はキャビンアテンダント(CA)などの現業部門です。現在では、特に現業部門ではなくその他管理部門等における女性活躍推進が課題となっているとのことでした。プレゼンテーションからは、2007年にいきいき推進室が発足してから現在に至るまで、試行錯誤を重ねながら地道に努力されてきた様子がとてもよく伝わってきました。苦労された面もあったと思いますが、宮原さんの明るいお人柄もあり、笑いに満ちたとても素晴らしいプレゼンテーションでした。

 宮原さんのお話から学んだことは、“生の声”を大切にし、実際の状況を的確に把握することが、女性活躍推進等の取組を始めるうえで重要であるということです。宮坂さんは、いきいき推進室発足後の一年間は、「いきいきサーベイ」等の地道な“生の声”を聞く実態調査を通して、課題が何なのかをひたすら探り、そして、その見えてきた課題に対して、今度は解決策をひたすら模索したとのことでした。ワーク・ライフ・バランス等も含め、これからさまざまな取組を推進していく企業様にとって、とても参考になる貴重なお話だったと思います。

 

◎グループディスカッション◎

 主宰者の植田、そして事例発表をしていただいた宮坂さんを囲む形で、2つのグループによるグループディスカッションとなりました。ここでは、女性内格差の問題が、予想以上に拡大しており、企業においてその対策に苦慮しているケースが多いことが分かってきました。そこで、実際に女性内格差を解消するために、どのような取組が効果的なのかについて、議論は展開されました。そのなかで、社内研修の重要性はみなさん一様に認識されていました。また、研修で成果をあげている企業の担当者さまからは、ある程度受講者層の的を絞り、参加しやすい工夫をすると効果的であるという意見が出されました。研修のネーミングや、キャッチコピー等も、参加を促すうえでとても重要であり、みなさん想像以上に工夫されていることが分かりました。

 グループディスカッションでは、仕事上の個別の悩みや不安点等を相談される参加者の方も数多くおられます。そのようなときには、グループ全体で、問題一つひとつについて丁寧に対応します。そうしていくことで、良いアイデアが生まれ、解決策へとつながっていきます。毎回感じることですが、企業の枠を超えた助け合いの精神が、研究会の最大の魅力なのだと思います。

 

 研究会の締めくくりは、毎回“名刺交換兼交流会”となります。参加者のみなさんそれぞれが、全体やグループでは聞けなかったことを個別に質問するなど、時間ぎりぎりまで活発に意見交換をされています。研究会では、昨今の企業が抱えるさまざまな問題について、講師と参加者が一体となって問題解決への糸口を探すべく、活発に議論を展開しています。次回も、たくさんのみなさまのご参加を、お待ちしております。 

(文責 株式会社きんざい 舟山 綾)